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ヌコサの島守  作者: 舵 登山
始章
36/75

白里はほうきにまたがり空を飛ぶ

 白里は、魔法の練習にと、海空を飛んでいる。


暇なヌコサはそれを肉眼で追うが、白里は相当早く飛ぶので、それを目で追い続けるのはかなりの技がいる。




「飛行魔術ツバメ。」


この魔法は魔力の消費が少なく、長い距離を飛べるため、多くの魔法使いが利用する。


「ハヤブサ。」


ここから白里の飛ぶスピードはどんどん早くなってゆく。




 ちなみに、この日は晴れた日の昼間だ。


ー魔力探知は使わないー


これが空飛ぶ白里を肉眼で追うヌコサのプライドだ。



 


 白里は調子に乗って来たのか、ほうきの上に立ち上がり、その持ち手を足の親指と人差し指ではさみながら飛んでいる。




「さあ面白くなってきたぞ!。」


白里は風を切る爽快感に浸っている。そして、


「飛行魔術カミカゼ。」


を唱えた。



カミカゼは本来、戦闘から逃げるために使われる。


速度は飛行魔術で一番速いが、その分魔力を大量消費するため、多くの場合、一瞬だけ利用するものだ。


が、しかし白里はそれを長時間持続させる。




 線を描くように飛ぶ白里をヌコサは肉眼で追い続ける。


白里はそれを知っているためか、ある行動に出た。


まず、後ろ足をほうきから離し、離した足でドスンとほうきを踏みつけた。


ほうきの向きは、縦から横に変わり、白里は一気に急上昇した。





しかしヌコサも本気だ。


自分の先入観には騙されまいと、必死に白里を見つめていて、急上昇もしっかりと捉えている。





 だが、こうなってくると、どこで降下するのかが問題になってくる。


もしも白里が見栄を張り、どこまでも高く上昇すれば、空気が薄くなり、気絶して海に落下する。


まあ、白里はその様なことをするバカでは無い。


きっと、どこかで急降下するはずだ。



 

「あ、今日はゆっくりだね。」


白里は、身体を前に倒し、進行方向を変えた後、ほうきに座った。


そして、白里はだんだんと高度を下げ、地面に降りて練習を終えた。





 その後白里は、見ていたヌコサに、


「どうだった?早かった?」


と、問いかけていた。



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