白里はほうきにまたがり空を飛ぶ
白里は、魔法の練習にと、海空を飛んでいる。
暇なヌコサはそれを肉眼で追うが、白里は相当早く飛ぶので、それを目で追い続けるのはかなりの技がいる。
「飛行魔術ツバメ。」
この魔法は魔力の消費が少なく、長い距離を飛べるため、多くの魔法使いが利用する。
「ハヤブサ。」
ここから白里の飛ぶスピードはどんどん早くなってゆく。
ちなみに、この日は晴れた日の昼間だ。
ー魔力探知は使わないー
これが空飛ぶ白里を肉眼で追うヌコサのプライドだ。
白里は調子に乗って来たのか、ほうきの上に立ち上がり、その持ち手を足の親指と人差し指で挟みながら飛んでいる。
「さあ面白くなってきたぞ!。」
白里は風を切る爽快感に浸っている。そして、
「飛行魔術カミカゼ。」
を唱えた。
カミカゼは本来、戦闘から逃げるために使われる。
速度は飛行魔術で一番速いが、その分魔力を大量消費するため、多くの場合、一瞬だけ利用するものだ。
が、しかし白里はそれを長時間持続させる。
線を描くように飛ぶ白里をヌコサは肉眼で追い続ける。
白里はそれを知っているためか、ある行動に出た。
まず、後ろ足をほうきから離し、離した足でドスンとほうきを踏みつけた。
ほうきの向きは、縦から横に変わり、白里は一気に急上昇した。
しかしヌコサも本気だ。
自分の先入観には騙されまいと、必死に白里を見つめていて、急上昇もしっかりと捉えている。
だが、こうなってくると、どこで降下するのかが問題になってくる。
もしも白里が見栄を張り、どこまでも高く上昇すれば、空気が薄くなり、気絶して海に落下する。
まあ、白里はその様なことをするバカでは無い。
きっと、どこかで急降下するはずだ。
「あ、今日はゆっくりだね。」
白里は、身体を前に倒し、進行方向を変えた後、ほうきに座った。
そして、白里はだんだんと高度を下げ、地面に降りて練習を終えた。
その後白里は、見ていたヌコサに、
「どうだった?早かった?」
と、問いかけていた。




