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ヌコサの島守  作者: 舵 登山
始章
30/75

青菜のうた

 ある秋の日のこと。


空は晴れ、島は明るい雰囲気が漂っている。





 そんな中、島に青菜 光正(あおな みつまさ)という少年が訪れた。


光正は、港の広場で歌を歌い始めた。


それはまるでほうれん草のおひたしの様な歌声だった。


だが、歌詞と音色の響きがとても良く、青菜の歌は道ゆく人を魅了していった。





 そこに魔法使いの白里が電子ピアノを持ってきて、青菜と一緒に音色を奏でた。


青菜の歌声はますます美しくなってゆく。





 さて、だんだんと、夕暮れになろうとしている時、青菜は、灯台のある岬を指さして、


「あそこで歌いたい。」


と、言い出した。


青菜たちは、岬へ移動することにした。





 青菜は岬に辿り着くと、海に向かって熱唱した。


夕焼けの海に響く歌声を島の住人たちは、ただ黙って聴いていた。





 そして、青菜は歌を歌い切った。


すると、灯台の光がふわっと光り出し、回転を始めた。


そしたら灯台の窓からヌコサが、


「やあ、ほうれん草のおひたしの歌、案外良かったよ!」


と、言った。




「ああ、僕はこんな歌を歌ってるんだな。」


青菜は、そう思いながら帰りの船に乗るため、港に向かった。


「でも、僕は歌わなくちゃ。」


青菜は歌う希望を持ち続けながら、夜行船に乗り込んだ。




 そして、青菜は歌う。どこへでも。

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