灼熱の太陽、鍛冶屋の情熱
太陽は南の空へどんどん昇り地面を焼き付ける暑さと共に島を照らしている。
ヌコサは暑い暑いと息を凝らして道を歩いているといると鍛冶屋の六介が滝の様な汗を流しながら自動販売機で炭酸飲料を買ってを飲んでいた。
「暑くて死にそうだ。ああ、あと仕事かいくつもある。大変だ。ほれ、ヌコサもこれで何か飲んで。」
六介は、こう言葉を放ち、ヌコサに130円を渡した。
ヌコサは、六介の様子を見て、
「もしかしてこんな日にも関わらずガスや石炭を燃やして作業しているの?」
と問いた。六介は軽くうなずき、炭酸飲料を飲み干すと、作業場へと戻っていった。
しかし、放って置けなくなったヌコサは、六介について行った。
その作業場は夏の暑さとは違い、真冬の暖房50軒分ぐらいを1カ所に集めた様な空気が漂っており、はっきり言って暑過ぎると、ヌコサは感じた。
六介は、
「この暑さが遠のけば、仕事がはかどるのだけどなぁ」
と呟いたらヌコサが、
「それじゃあ私のちからで何とかしよう。」
と言い、両手を前にかざし
『暑さを消し去る結界』
を頭で念じ、作業場に暑さを感じさせない結界を作った。
六介は、良いものを作ってくれたと今までの苦しみを忘れたかのように作業に取り掛かるも、数十分もしないうちに六介は、
「夏の暑さは感じなくなったが、同時に鋼の情熱が感じられなくなってしまった。鋼の情熱を感じたくなったから、この結界を解いてくれないか?」
とヌコサに頼んできた。ヌコサは正気かと思った。
しかし、六介自体も情熱で満ちあふれていることに気づいたヌコサは、
「このまま六介をこの結界で覆い続けると、六介の体が冷えて固まってしまう」
と感じ、結界を解くこたにした。
「色々迷惑かけてすまないな」
と言った六介に対し、ヌコサは、
「いいのいいの。あ、この130円もらっていくよ。」
と言い作業場を後にした。
その後太陽は、西の海へ沈んでいったのだった。




