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朱色の花は静かにに咲く
「これが魔法の花の種ね。」
結界魔術師のヌコサは、白里から魔法の花の種を受け取り、物珍しそうに眺めていた。
「この種、育て方によって花の色が変わるんだって。」
白里はその様に説明していた。
さて、そんな会話をしていたのはいつ頃だったであろう。
ヌコサは丁寧に魔法の花を育て、明日、明後日には花が咲きそうなところまで育てた。
「わたしの花は何色に咲くのかな。」
ヌコサがそう思っているうちに日が暮れていた。
夜になり、ヌコサは魔法の花が咲いてることに気づいた。
近づいてみてみると、朱色の花が咲いていた。
花は月に照らされて、静かに花開いていた。
ヌコサはその花を静かに眺めていた。
翌朝、魔法の花は閉じてしぼんでいた。
「ああ、あの時一瞬だけわたしに姿を見せてくれたのね。
つぼみが大きくふくらんで。
きっとこの花はたくさんの種を残してくれそうね。」
花には静かな風が吹いていた。




