【白里ピンチ!?】霧の魔術師
「この朝靄、なんかおかしい。」
魔法使いの白里は、島にかかる霧に違和感を覚えたため、島の見回りをしていた。
白里 霧潮という名前ではあるものの、実際、彼の得意魔術は氷と炎の魔法そして蘇生魔術が使える程度であり、霧を出す魔法は使えない。
白里は、海辺を歩いていると、ある少女が砂浜に立っていた。
少女は、ある程度の魔力を魔力を持っている様だ。
「やあ、こんな霧の中、何をしているんだい?」
白里は、少女に問いかけた。
「ふふふ、私のこの霧、すごいでしょ。
あれ、君は魔法使いなの?」
少女が人間であることは確かであるが、同時に白里は何か薄気味悪い感じがした。
「君、もしかして、この霧を魔法で出してるの?」
白里は問う。
「ふふふ、そうよ。
私は美濃坂 橙子。霧の魔術師よ。
君、結構強そうね。私と勝負をしてみない?」
橙子はやる気満々だ。
白里も、勝負を申し込まれた以上、断るわけにはいかないと、橙子に目を合わせた。
一方そのころ
灯台守のヌコサは、何か魔法によって霧がかけられていることに気づいた。しかし、灯台守のヌコサは、霧がかかると決まってやるべきことがあるので、魔法のことは後回しにした。
さて、場所は砂浜に戻る。
白里は橙子に攻撃を仕掛けようとするものの、霧が濃くて前が見えない。
白里が橙子はどこにいるかと探っていると、突然氷の魔法攻撃をくらいそうになったが、とっさの判断でなんとかかわすことができた。
「炭炎業火」
白里は、炎の魔法を撃つ。
橙子への攻撃自体は外すものの、、霧が一瞬晴れ、橙子の姿がチラッと見えた。
しかし、橙子がすぐに霧をかけ直すため、白里は再び橙子を見失った。
これではいつまで経っても攻撃を当てることができないため、強力な魔力探知で橙子を探ることにして、なんとか応戦した。
さて、戦いはまだまだ続く。
白里は、濃い霧の中、魔力端ちを頼りに砂浜をうろうろと動き回っていたら、ぼちゃんと海に足を落としてしまった。
魔力探知に頼り技て、自分の今いる場所を見失ったようだ。
靴下がびしょ濡れになった白里は考える。
「(ちくしょう。このままだとまたドボンと海に浸かってしまう。何か、何か自分の居場所を突き止める方法は無いのか?…んん?)」
白里の耳に何かが飛び込んできた。
それは今いる砂浜から灯台の方から聞こえてくる。
ホーッ…ホーと。
おそらく霧笛の音だろう。
橙子が派手に霧をかけているので、それが白里の視界はおろか、島全体を白く染めているため、灯台守のヌコサが沖の船に向けて島の位置を示しているのであろう。
白里は耳を傾ける。
「魔力探知、我右斜め後ろ。
霧笛、左斜め前、海は左、
魔力探知、氷の魔法到来。
よし、右に逃げよう。」
そうして、白里は霧の向こうからくる攻撃を避けていった。
「(あれ…そういえば攻撃が全然当たらないな。白里君は何をしているんだ?
…耳…何を…これは、誰か黒幕がいるのでは?)」
橙子は霧笛の存在に気付いたようだ。
「ねえ、これ、誰が鳴らしているの?」
橙子は霧の中から出てきて、白里に問う。
「さあ、聞こえてくる方向に行ってみれば?」
白里は軽く返した。
戦いは中断し、橙子は霧笛のなる方向に向かった。
そして案の定、灯台にたどり着いたのである。
橙子は、灯台の中に誰かがいることに気づき、灯台の扉を軽く叩いてみた。
すると、灯台守のヌコサが出てきた。
「やあ、君はアリカベ向島灯台来客600人目だよおめでとう。こんな霧の中よく来たね。」
ヌコサは快く挨拶を交わした。
霧笛は鳴る。
「ねえ、この音、なんなの?」
橙子はヌコサに疑問を投げかけた。
それに対し、ヌコサは、
「これは霧笛と言って、霧に笛と書いて、霧笛って呼ぶんだ。
霧が濃い時に沖の船が迷わないように鳴らしているわけ。」
と返した。
するとさらに橙子が疑問を投げかける。
「それで、いつになったら鳴り終わるの?」
さて、ヌコサは答えた。
「君が霧を晴らすまで。ずっと。」
橙子はその時、ヌコサが自分よりも強い魔術師であることに気づいた。
ヌコサはさらに話を続ける。
「霧の中、霧笛や羅針盤を頼りに大陸の向こうへ行こうとしている船。そこに突然氷山が現れる。
そして、ごっつんこ!と、まあ、洒落にならないことが起こるわけ。」
橙子は、ヌコサの話を聞いたあと、すぐに霧を晴らした。
魔法の霧が晴れた島には、太陽が燦々と照り付けていた。
どこかからやってきた橙子は気付けば島を出ていた。
そして、橙子と白里の勝負はお預けになったとさ。
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