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ヌコサの島守  作者: 舵 登山
始章
24/75

バンパイヤは未来を子供に託し大地を歩く

この小説は「バンパイヤは夜道を歩く」の続編です。

 バンパイヤの千夜不吸血(チーヤチスワズ)は、ヌコサに自身の思い出を語る。


「悪魔族はその人生で一度、降魔の神殿で新たな悪魔を生み出すよう、神に願う“降魔の儀”という儀式を行います。私は今から七百一年前にその儀式をしました。その場で神に人生の誓いを行うのです。」


千夜は、自身の長い人生の一コマを語り出した。


「それで、神に何を誓ったの?」


ヌコサもその話に興味津々だ。


「そこで私は、”もう誰の流血も吸わない“と宣言しました。」


神の誓いは必ず守るのが掟である。もし破れば自分は

おろか、我が子の命すら危険に晒すことになる。


「神はそれを聞いて、最終的に二人のバンパイヤをこの地に生み出しました。」


千夜の過去を聞いたヌコサは質問する。


「バンパイヤは血を吸わないと、生きていけないはず。あなたはどうやって七百年以上生き延びたの?」


千夜は答える。


「私が神に誓ったのは、あくまで生きている人間や動物の流血を吸わないということです。なので私はこの七百年、ずっと首吊り死体の血を吸って生きて来ました。」


なんと千夜は、腐った血液だけで生活していたのである。


 ヌコサは千夜に問いかける。


「それで、その子供とは…。」


ヌコサが言葉を詰まらせると、千夜は穏やかな表情で、


「バンパイヤは生まれた後、親の力を借りずに生きる魔族です。なので今、こうして話している間にも、どこかで暮らしてると信じています。」


「千夜も千夜なりのものがあるのだろう。」

ヌコサはそんなことをしみじみと感じていた。


 そして時は過ぎ、千夜は白里の家に戻り、木箱に入ってすやすやと眠った。


朝になり、白里は港に木箱を届けた。


船は出発し、千夜の旅はまだまだ続くのであった。

バンパイヤの物語は、いったん終わりです。

    『ヌコサの島守』次回をお楽しみ!

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