バンパイヤは夜道を歩く
この小説は「バンパイヤは木箱に揺られてやって来る」の続きです。
バンパイヤの千夜不吸血は、夜の島を歩く。
中央の山に登り、お目当ての月に照らされる海と街の夜景を堪能した。
千夜は太陽が昇っている間、ずっと木箱の中で眠っていたためか、だんだんとお腹が空いてきたかのように感じてきた。
そのため千夜は、売店で軽食を買った。
だが、バンパイヤの千夜不吸血が売店から出る時、そこには“そうゆう存在”に敏感な少女がいた。
ヌコサである。
ヌコサはハッとした表情を向けた。そして話し出す。
「随分とお楽しみの様だけど、ここで一線を越す様なことはしないよね?」
「ええ、その様なことは一切致しません。」
千夜は、白里もそうであるが、こうゆう面倒くさい人間に出会ったのは久しぶりだ。
しかも、ヌコサに限れば、彼女に牙を向けると自分の命に関わる様なことになることは確かであると、千夜は瞬時に見抜いていた。
「自己紹介を忘れていました。私は千夜不吸血と申します。」
何も言わないでいると、怪しまれるため、千夜はとりあえず自己紹介をした。
「あなた、ずっと流血を吸ってない様だけど、一体どれぐらい我慢しているの?」
ヌコサは千夜に問いかけた。すると千夜は驚きの回答をした。
「私は七百年と一年、流血を吸わずに暮らしています。」
「え?」
ヌコサは疑う。しかし千夜は、
「七百一年流血を吸わずに暮らしています。」
ずっと、流血を吸っていないのは本当のようだ。しかしヌコサの疑問は残る。
「(バンパイヤは普通、生き物の体を巡り、流れる血液を吸わないと生きていけないはずだ。しかし、千夜は七百年以上流血を吸っているのに、血を欲しがらず、私を襲おうともしない。いったいなぜ?)」
ヌコサはそう思った。それを察した千夜はその理由を話し始めた。
次回『ヌコサの島守』
「バンパイヤは未来を子供に託し大地を歩く」
お楽しみに!




