いずれ勇者になるであろう二人 その4
前回、ヌコサの木刀を折った勇者、狗巻 努。しかし、ヌコサは…
狗巻 努の木刀は、受け身を構えたヌコサの木刀をぽかんと折り、ヌコサの頭に向かおうとした。
「危ない。」
努は心の中でそう思ったが、木刀は、ヌコサの前で、止まっていた。
「き、君は、、、。」
努は少し動揺した。
「わたしはヌコサ。結界魔術師さ。もし、今言ったことが信じられない様ならその銅の剣でわたしを倒してみてはどうかい。」
ヌコサは戦う気満々で、努に言った。
努は、
「ヌコサが?…でも一度やってみるか。」
と、自身が装備する銅の剣でヌコサに向かって行く。
しかしヌコサは氷系魔法で応戦する。努に無数の氷の塊が飛んでくる。何とか避け切った努は、その銅の剣を大きく振りかざし
「ヤーーーー。」
と振りかざした。
だが、真っ正面からの攻撃で月夜に映えるその見た目は、同時にたくさんの隙を与える。
ヌコサは、
「ああ、そうゆう攻撃か。ならばこうするか。」
と、それなりの防御結界をそれなりの角度で貼った。
すると努の剣がヌコサを切り付けるもその刃はヌコサに到達せず、防御結界にあたり、ガリガリガリッと滑って地面に突き刺さった。
「努が危険な状況になっている。」
魔法使いの麦坂 忽房は、勝手にそう思い、ヌコサに炎系の魔法を撃った。
しかし、ヌコサはそちらに振り返ることはなく、だだ手を向けて防御魔法で跳ね飛ばした。
…あまりの強さに驚いて、忽房は思わず口を開く。
「お前、人間か?」
「ええ、人間よ。」
即答だ。
努と忽房は、もう戦う気が失せ唖然とした。しかしヌコサは、
「勇者…確かにわたしが努に勝負を仕掛けたとき、わたしがただの村人であるにも関わらず勝負に乗ってくれた。人間に刃物を向けるなんて、とちゅうちょせずに挑戦する勇気が感じられたよ。きっと立派な勇者になれる。その時が来るのはかなりの時間がかかるけど、きっと良い結果が待ってると思うよ。」
と、二人に言った。
夜は明け、努と忽房は港で船を待っていた。
すると、見送りに来たヌコサが、
「島を出だあと、何をするの。」
と聞いたため、
「俺達は、銀河大地で魔王の情報を集めようと思っている。もしよかったら俺たちと一緒に旅をしないか?」
と、誘った。
しかしヌコサは、
「ごめん、わたしはこの島でやらなきゃいけないことがあるから旅にはついていけない。その代わりこれ。」
ヌコサは、色々な力が込められた茶封筒を、忽房に渡した。
「もしものことがあった時のためにこの封筒を開けると、強力な結界が現れてあんた達を守る様に作ってあるから。」
と説明した。忽房は、
「ありがとう。大事に持っておくよ。」
と言った。
港に船が到着した。努と忽房は船に乗り込んだ。
そして船は、ヌコサに見送られながら港を離れた。
勇者による魔王討伐の旅は、今幕を開けたのだ。
勇者の旅立ちをヌコサ港で見送るのでした。




