表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/9

4

悪夢は、いつまで続くのでしょう?

"病気"なら、人を傷つけても許されるのかな?

自分の子供なら何をしようとばれなきゃ無実なのが現実ですよね


朝が来て、お父さんが迎えに来た。

正直言うと、祖母の家にもういたくなかった。

自分の居場所は、どこにもない。

そう思った。

歯をくいしばって、心を殺してないと自分が保てなくなりそうで、じっと耐えることしかできないのがつらかった。

お父さんは、車で話しかけていたが全部相づちやそっけない態度で返した。

そして、いよいよおうちについた。

"あの人"と対面した。

ドクン

心臓が苦しくなった。

泣きたくなった。

想像していたとおり、被害者のような態度の"あの人"になんとも言えない感情があふれでた。

「言いたいことを全部言いなさい」

お父さんの言葉で、あふれでた感情に蓋をする。

「なんで、いつも八つ当たりするの?私だって疲れてることもあるし、休みたいときだってある。疲れて動けないときだってお母さんが、そんな状態の時攻めたりしたことなんてないのに……理解しようとして、病気だからって今まで我慢してきたけどもう無理。もうっ……」

あとに続く言葉は、嗚咽や涙に混じって言葉にならなかった。

「……」

"あの人"は、私が言い終わると一言こういった。

「全部私が悪いんでしょ?」

それは、逆ギレのような、感情がこもっていないような薄い声だった。

「あなたを、ここまで育てたのがどれだけ大変だったかわかる?私だって実の親からもっとひどいことをされたことだってあった。それなのにたったこれだけのことで大騒ぎして」

ドクン ドクン

「お母さんの小さい頃はね、」

声が聞こえるのに、その後の"あの人"の話は頭には言ってこなかった。

バチン

お父さんが"あの人"をぶった。

そこからは、お父さんと"あの人"の口喧嘩になった。

ドクン ドクン

(苦しい)

その様子を横目で見ながら逃げるように部屋に向かう。

「あなたのせいで、お父さんと喧嘩になったじゃない。どこにいくの?」

"あの人"が私に手を伸ばしてきた。

バシっ

お父さんがその手をはたく。

「また、こどものせいか?」

口喧嘩は続く。

そのすきに部屋に逃げた。

布団にくるまり、すすり泣いた。

地獄だった。

小さな頃は、"本当のお母さんは別にいる"と思うことにした。

視野が広がると、"病気だから"と理解しようとした。

(どこにも居場所がない)

ただ泣くことしかできない自分自身に嫌気がさした。

永遠と続くような口喧嘩の声を聞きながら、気を失うように眠りについた。

人形をお守りみたいにギュッと抱き締めて、体を丸めて寝た。

涙は眠るまで止まることはなかった。

こう言うとき、物語の中では、救いの主人公が手をさしのべてくれるはずだけど私にはそんな人は、いなかった。

いつまで続くかわからない悪夢に心が冷たくなるのを感じた。

次話も、悪夢が続きます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ