表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

1

私は、それでも、愛が欲しかった。

欲しくて、欲しくて

簡単にもらえる人が例え友達であっても憎くて、

そんな自分が嫌で、

そんな一人の孤独な少女のお話

物心ついた頃から、いや、もっとずっと前からやられていたこと。

その日は、些細な口答えがきっかけだった。

洗濯物を干せと言われ、高校でつかれていたこともあって、休んでからやると言ったのに文句を言われつい反抗してしまった。

いや、もしかしたら気遣ってくれるんじゃって正直に話せば理解してくれるかもってどこかで思っていた。

その結果が今だ。

バシッ

「あなたなんて生むんじゃなかった」

バシッ

恐怖でからだが動かず、罵声と暴力で身体が震える。

「あなたがいなければ」

バシッ

「ふぅー、ふぅー」

相手が疲れたのか、暴力が止まる。

「少しまってなさい」

ギィー

ガチャン

部屋から“あの人“が出ていった。

部屋の鍵を開いてすぐ庭にでる。

泣きながら、裸足で無我夢中で走った。

車が通る度に“あの人“が探しに来たと思い、影になるところに身体を隠した。

些細な足音にも恐怖で怖くて仕方なかった。

声を出すことも出来ずにただ泣いた。

私には助けを求める“場所“もなかった。

だからといって、警察のお世話になるのは嫌だった。

違う、怖かったのだ。

今まで誰も助けてくれる、手をさしのべてくれる人なんていなかったから……

助けてと、祖父母に言ったことがある。

勇気を出してだ。

でも、帰ってきたのは“親を憎んではいけない““どこかにあなたを思う気持ちがあるはず“や、言葉だけの同情や慰めだった。

その時に、私がどれだけ失望し、絶望したかわかるだろうか……

裸足で走って走って彼のお家についた。

彼は一人暮らしで同じ年だった。

携帯は、持ってきた。

でも、ずっと“あの人“からの電話がなっていて恐怖で使えなかった。

ピンポーン

「どちら様ですか?」

「……私」

ガチャ

ドアが開く。

「どうしたの?」

心配そうな彼の表情に安堵し、同時に声を出して泣いた。





私が落ち着くと、彼は、服を貸してくれた。

寝巻き姿で、とてもじゃないが、外を歩く格好ではなかったから。

「ありがとう」

お風呂を借りて着替える。

精一杯笑顔を作る。

でも、また涙が溢れた。

「どうしたの?」

「……もう、家にいたくない」

それだけしか言えなかった。

まだ、私は高校生で地元で通っていたからお家から出ていけるわけない。

生活力はない。

まず、お金がない。

頭ではわかっていたけど、言わずにはいれなかった。

「一緒に住みたい」

彼は、困った顔をして答えてはくれなかった。

その日は、寝つくまで彼が側でぎゅっと抱き締めてくれた。


次の日、彼は高校にいかず私と一緒にいてくれた。

息抜きに外に行こうと連れ出してくれた。

後に思うとこれは、いけないことだったと思う。

私たちは未成年で、学生だったのだから。

外にでる為に、できるだけ私の体型に会った洋服を準備してくれた。

もちろん彼のだが、ギリギリ大丈夫なものがあった。

外にでると、視線や声が気になって、彼から離れられなかった。

バスに乗り、家から少し遠くの場所でピクニックをした。

ご飯は、途中でおごってもらった。

お家から出るときお金を持ってきてないので、少しでも安いものを選んだ。

できるだけ明るく振る舞った。

大丈夫な元気なふりをした。

プルル

携帯がなった。

画面を開く。

お父さんからだった。

「……」

プルル

もしかしたら、とらなかったら警察とかに行方不明で捜索願いが出されるかもしれない。

昨日は、連絡してないし……

ぎゅっと拳を握る。

「……もしもし」

「!もしもし、いまどこにいる?」

「……友達と一緒」

「そうか……お母さんが何をしたか話せるか?」

「……ムリ」

「わかった。今から迎えにいくからどこにいる?」

「……嫌だ、帰りたくない、もう我慢の限界だし……」

「わかった。でも、そのまま友達のお世話になるわけにはいかないだろ?」

「……祖父母のところはどうだ?」

「……わかった。夜お願いする」

「わかった。」

ピッ

電話を切った瞬間嗚咽とともに涙が出た。

「帰ろうか」

彼に支えられ彼のお家まで来た。

お家につくと夕方になっていた。

ピコリん

メッセージが届いた。

開いてみると仲良しのこからだった。

不定期更新ですが、よろしくお願いします

ご意見やご感想いただけると嬉しいです

フィクションです。


今の世の中、ある程度年齢がいっても自立は、金銭面でとても難しいですよね(;ω;)

一人でも虐待という悪夢から抜け出せますように

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ