3.忌むべき存在を断つために。
今回、短いです(*‘ω‘ *)
――今から遥か昔に『人魔戦争』というものがあった。
端的に言えば、人間と魔族の戦争だ。
それ以前までは互いに一線を引いていたのだが、何が発端となったのか、双方は武器を持つことになる。そして争いは、人間側の勝利で決着した。
今回の問題は、それが尾を引いている。
王家は厳禁としているが、王都ではしばしば奴隷のやり取りが行われていた。そこで売り買いされるのは、基本的に魔族。
あるいは、リアンのような人間と魔族の血を引く者だった。
「…………それで、リアンは逃げてきたんだね?」
「うん。お母さんが、僕を逃がしてくれたんだ」
目を覚ました少年から話を聞いて、ボクはどこか暗い気持ちになった。
淡々と話しているが、リアンの心はもう限界なのだろう。冷静に見えるが、表情というものが完全に掻き消えている。つまり、もう……。
「アネッサさん……」
そんな少年の姿に、ボクは我慢できずに立ち上がった。
このまま、放置するわけにはいかない。
そんなボクの考えを察したらしい。
アネッサさんは、一つ頷くとこう口にした。
「えぇ、そうね。リアンくんのくれた情報で、場所は特定できそうよ。ダイス様はお帰りになられていないけど、私が特例で認可しましょう」――と。
彼女の言葉に、拳を握りしめる。
人の命や尊厳を無視し、貶める行為に肯定できる要素などない。
ボクは一度深呼吸をしてから、真っすぐに前を向いた。そして――。
「決して、自分の力を過信するわけではありません。でも――」
瞳の輝きを失った少年を見て。
「ボクが、必ずこの任務を遂行してみせます」
ギルドの所属して、二回目の暗殺任務。
今度は頼まれたからではなく、自分の意思で踏み込むのだった。
次回、潜入ですね。
たぶん本日中に更新します(*‘ω‘ *)
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