2.少年の素性。
シリアスに(*‘ω‘ *)
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「いらっしゃいませ。こちらは、暗殺者ギルドですが――」
「あぁ、えっと。ボクです、リーシャスです!」
「あ! す、すみません!!」
ボクがギルドの会員証を示すと、受付の女性はハッとして謝罪してきた。
かれこれ半月ほど、このギルドには顔を出している。だけど、いまだに顔を覚えてもらえないというのは、やはりそういうことなのだろう。
ボクは苦笑いしながら、ひとまずダイス叔父さんに会えないか訊ねた。
「申し訳ございません。ギルド長は、ただいま席を外しておられまして……」
「あぁ、そうなんですか? まいったな……」
受付の女性の言葉を聞いて、ボクは頬を掻く。
そして、先ほどからずっとこちらにしがみ付いて離れない少年――リアンを見た。長い茶色の前髪で、赤の瞳がバレないよう必死に隠して怯えている。
どうやら彼は、相当な迫害を受けてきた様子だった。
「あぁ、えっと――リーシャスくん! こんにちは!」
「ん? ……あ、アネッサさん!」
そう考えていると、ようやく知った人が現れる。
先日、デイビッドとの一件で面識のある女性――アネッサさんだ。彼女はボクの会員証を凝視することで、どうにかこちらを認識したらしい。
タイトな黒い服に身を包んだ彼女は、ゆっくりとこちらにやってきた。
「今日はどうしたの?」
そして、そう訊いてくるので。
ボクは自分にしがみ付いたリアンに視線をやった。
「この子――リアン、っていうんですけど。その……」
「訳あり、って感じね。分かったわ、こっちにきて」
すると、すぐに察してくれたらしい。
彼女は手招きすると、誰もいない一室にボクたちを招いた。そして、
「怯え方、雰囲気、そして独特の魔力――その子は、ハーフ、ってことね?」
腕を組みながら、ズバリとそう言い当てる。
さすがはギルド長である叔父さんの右腕、観察眼が優れていた。そう思っていると、アネッサさんはこちらにやってきて、しゃがみ、リアンと目線を合わせる。
「大丈夫だよ、リアンくん。ここには、貴方をイジメる人はいない」
「………………!」
彼女はそう言って、少年の頭を撫でた。
なにやら妙に手慣れていて、少年も気づいたらしい。それによって、ほんの少しだが緊張も解けた様子だった。だが、同時に――。
「お、っと!?」
――ふっ、と。
リアンは、膝から崩れ落ちてしまうのだった。
どうやら安心した瞬間に、気を失ってしまったらしい。
「相当、疲れていたんだな……」
「こっちのソファーで寝かせましょう?」
「分かりました」
アネッサさんに言われた通り、リアンをソファーに寝かせる。
そして、一息ついてからボクは訊ねた。
「あの、アネッサさん。リアンは――」
「リーシャスくんの想像通り、だと思うわ」
「………………」
すると、言い切るより先にそんな答え。
ボクは胸が苦しくなるのを感じ、少しだけ目を伏せた。
だが、現実からは目を背けられない。
だからボクは、あえてそれを口にした。
「やっぱり、リアンは――」
忌々しい、人間の驕りによって生まれた名前を。
「奴隷だった、ってことですね」――と。
初日ジャンル14位、感謝の三話更新!!
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