1.ある少年との出会い。
ここから、第1章(*‘ω‘ *)
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叔父さん曰く、ボクはとかく『平凡』とのこと。
その平凡さというのも、並のそれではない。あくまで彼の憶測だが、もしすべての要素――身体能力や容姿など――を数値化できたとする。そうなった場合において、ボクはおそらくすべてが限りなく平均値に近い、とのことだった。
だから、どこにいても違和感がない。
なにをしていても、違和感がない。
さらに言ってしまえば、違和感が働かなないゆえに【記憶に残らない】のだ。
違和感というのは、すなわち印象。
人間は、物事に対して印象を持つことで記憶する。だから――。
「どうりで、昔から誰もボクのことを見てくれなかったのか……」
ボクはぼんやりと街を歩きながら、そう呟いた。
もちろん、ダイス叔父さんの理論が正解とも限らないけれど。つまるところボクは常に、こうやって動き回る街の人々の一人、ということだった。
何者でもなく、何者にもなれない。
「うーん……。改めて考えると、不思議な感じだ……」
別に、そのことを悲観するつもりはなかった。
だってこの平凡さがあるからこそ、できる人助けもあるのだから。先日のデイビッドの一件のように、何者でもない人物にしか、できないこともあった。
むしろボクは、自分の道が決まったように思えてスッキリしている。
「もっとも、あまり暗殺はしたくないけど――ん?」
そこまで考えた、その時だった。
ふと、視界の端に気になる光景が引っかかったのは。
「なんだろう。あの子たち……」
それは、数人の体格の良い男の子と。
一人だけ明らかに怯えた様子の汚れた衣服を身に着けた少年が、一緒に路地裏へと入っていく姿だった。先ほどの話じゃないけど、違和感がある。
ボクはその違和感に引っ張られるように、自然と足をそちらに向けていた。
そして――。
「あ……!」
目撃した。
怯える少年が、他の男の子たちに暴力を振るわれているのを。
殴る蹴るを繰り返し、彼らは愉快そうに笑っていた。とっさにボクの身体は、彼らへ向かって駆け出す。
「やめろ!! なに考えているんだ!?」
「やべ、人が来たぞ!!」
そして声を上げると、不味いと思ったらしい。
彼らは一斉に反対方向へと逃げ出した。
ボクは残された少年に駆け寄って、ケガがないかを確認する。
そして、彼の顔を見て思わず驚くのだった。
「…………これ、は」
こちらを見上げた少年。
煤けた顔をした彼の瞳は、左右で色が異なっていた。
右は金の瞳。しかし左には――。
「あ、う……」
慌てて少年は、自分の顔を隠した。
それもそのはずだ。
だって、彼の左の瞳は赤の輝きを放っていたから。
それはすなわち『魔族と人間の子である』ということ。
それがボクと、少年――リアンの出会いだった。
これは些細なキッカケから始まる、ちょっと大きな事件のお話。
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