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襲撃


 家を飛び出し走り出したノアは住宅街に向かっていた。両手で抱えられたガーベラは不思議そうにノアの方を見ている。


「はぁ…はぁ…着いたぞ。」


 住宅街の真ん中に着くと、ドラゴンは門を破壊し、この町に入り込んだ事が分かった。町の住民はノアが走って来た方向とは逆に逃げていく。

 ドラゴンの周りでは町にいる数人の冒険者が応戦していた。


「なんだこのドラゴン!大きすぎる!」

「こんなサイズ初めて見たぞ!どうやって町を守れって言うんだ。止められるわけない。」

「他の町から強い冒険者は呼べないのか!」


 各々の従えるドラゴンに乗って必死に止めようとするが攻撃が効いている様子はまるで見られない。


 この町は数年前から襲撃が起こらなくなっていた。強い冒険者は襲撃が頻繁に怒る町で警備を行っていた。比較的安全とされていたこの町に巨大なドラゴンを止められるような冒険者はいなかったのである。


「なんだこいつは!」


 ロックと共にジャックが町に降りてくる。町の壊されていく様子を見てジャックが事態の大きさを理解する。ローズは他の民衆と共に隣町へ避難させたようだ。


「この町に強い冒険者はいない…。止められるのは…。」


 ジャックがロックの方を見るとロックは巨大なドラゴンを強く睨みつけていた。


「俺達でアイツを止められるのか…」


…………………………………………………………


 町から人はすっかり居なくなり、残ったのはノアとジャック、応戦する数人の冒険者のみであった。


「もう限界だ!このままじゃ俺諸共墜落しちまう。」

「誰か…助けてくれ!」


 応戦する冒険者が叫ぶ。巨大なドラゴンの攻撃を受け、長時間飛行したままの冒険者のドラゴンはもう限界であった。

ノアはガーベラの方を見つめて大きく息を吸い、叫んだ。


「ガーベラ!アイツを止めてくれ!お前の力が必要なんだ!」


 ガーベラは急に光出し、ノアは思わず目を瞑った。目を開けるとガーベラは巨大なドラゴンと同じくらいのサイズになっていた。


「なんだこの大きな豚は!止めてくれるのか?」


 冒険者がガーベラに驚く。


「ガーベラ!高く跳んでそのドラゴンを踏みつけてくれ!」


 ノアと冒険者は空を見上げる。


 ノアの声を聞き、ガーベラは大きくなった足にグッと力を入れて、空高く跳んだ。

 ドラゴンの頭上に巨大な影が現れ、ガーベラが落下してくる。

 ドラゴンに巨体を叩きつける事が出来た。ドラゴンは鱗が壊れ、体勢を崩したがガーベラを弾き返した。

 ガーベラは弾かれた衝撃で元のサイズに戻ってしまった。落ちてくるガーベラの落下地点にノアは走って飛び込み、キャッチした。


「ガーベラ!大丈夫か?」


 ガーベラは傷ついていたが、ノアの方を見て笑いかけた。


「ガーベラ…無理させてごめんな。」


 すると、後ろから足音が聞こえた。振り向くとそこには先程までとは顔付きの違うジャックとロックの姿があった。


「ガーベラ、ノア、よくやった。後は俺達に任せてくれ。」


 ジャックが若い頃の姿と重なって見えた。



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