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俺、強くなります!  作者: アナザースカイ
絶望へのカウントダウン
2/6

体、死にます!

 雲一つない見事な快晴の下、雪村家の騒がしい1日が今日も訪れる。


「さっさと起きろや!蹴っ飛ばすぞ!!」


そう物騒な事を言いながら、俺の部屋の扉を勢いよく開けて入って来たのは、来月で15歳になる俺の弟、白斗だ。


「朝からうるさいなー。もうちょっと寝かせてくれよ…。」


俺は布団の隙間から恨めしそうに呟いた。


「そろそろ起きないと学校遅れるよ?」


そう言いながら、白斗に続いて入ってきたのは、キラキラ輝く金髪をツインテールにして括っている、今年で8歳になる妹の延寿が、言ってきた。


白斗と延寿が、続けて言うもんだから不安になってきた。そこで、現在の時刻を教えてもらう事にした。


「まじで?今何時?」


白斗と延寿が顔を見合わせて一言 


「7時半」

「7時半だよ」


くそったれ!あと1時間で学校遅刻じゃねーか!


そう思い、ベッドから飛び降りて急いで学校に行く準備をする。


3階の自室から2階のリビングに向かうと、朝食をとっている母さんと父さんの姿が目に入った。


「ちょっと⁉︎こんな時間に起きてきて!学校に間に合うの?走って行きなさい!」


「夜更かししていたのか?体に悪いから極力控えるんだぞ?」


「分かった分かった!じゃあ行ってきまーす!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「はぁ〜、なんとか間に合った〜」


「それ、本気で言ってるの?走りすぎて頭おかしくなったみたいね。」


「あぁ、たしかに今頭がぼーっとするなぁ。でも、夏に入りかけの時期に朝っぱらから駅まで走って、電車降りてまた走ったんだ。これで学校間に合いませんでしたなんて、思いたくねーなー!。」


「現実逃避したくなるのも分かるけど、多分遅刻ついてるとおもうよ?」


「くっそぉ!!三者面談の時、また怒られるのか!…キツいな〜。」


そうして、校内でも割と顔が整っていて、出るところは出ており引っ込むところは引っ込んでいる、スタイルの良い黒髪ポニーテールの美女、中野優と喋っていると1時間目の始まりのチャイムが鳴ったので、優は、自分の席である俺の隣の席に着いた。


「今日は英語の担当の先生がお休みなので、1時間目は総合に変わります!」


と、朝から張り切っているのは、この教室の担任をしている坂本風香先生だ。綺麗な顔をしていて、おっちょこちょいな所もあり、男女共に人気な先生だ。


「風香先生〜、総合ってなにするんですか〜?」

「風香ちゃ〜ん、英語が無くなったから、俺と保健の実技の勉強でもしよ〜ぜー?」


と、ゲラゲラ笑いながらクラスの中でもヤンチャそうな男女のグループが、坂本先生に絡んでいた。


坂本先生は、「そんな授業は行いません!」と恥ずかしそうに言うもんだから、余計にいじられていた。


「もうそろそろやめないか?先生も嫌がっているじゃないか!」


そうして静止の言葉を述べたのは、このクラスの委員長の風馬翔だ。


イケメンで勉強ができて、スポーツも万能でお金持ちで周りの気遣いも出来る、まるで2次元から出てきたかのようなイケメンだ…。イケメンだ!(泣) 自分の顔と見比べると、溜息を吐き出したくなる。


そうして、イケメン様が場の雰囲気を抑えると、先生にさっきの続きを促した。


「こ、こほん!では……今から約30年前、突然目の前に現れた神々の話を知っていますね?神々は私達に、15歳になった者に異能力を与えました。」


みんなの顔はいっきに真剣な顔つきになっていった。


「突然現れた神々と、与えられた能力を見た人々は混乱しました。」


もちろん俺も真剣に聞いていた。


「人によって能力に個人差はありますが、それでも強力な力というのには変わりはありません」


この力は本来、人間という種族が持ってはいけないはずの能力だ。

なぜなら、人間という種族は異能力を持つとなにをするか分からないからだ。


「そして、その力を使って犯罪を犯す組織も出てきました。」


俺は、なぜ神々は人間に異能力を持たせたのか、凄く気になっている。


「その《闇組織》を倒すために作られた、世界政府側の能力者集団《Evil Hunter》は、混乱した世界を収め、今も、この地球のどこかで《闇組織》と闘っています。」


《Evil Hunter》ー 悪を倒す者…

でも、急にこの話をしたのは理由があるんじゃ無いのか?…もしかして…


「今日改めてこの話をしたのは、《Evil Hunter》の卵である貴方達の意識の再確認をするためです。」


やっぱりな。ここは、卵からひなどりに還す、養成高校だ。

だから身を乗り出して話を聞いている人がほとんどだ。


「最近、《闇組織》の動きが活発化している傾向があります!」


正隊員になる理由は人によって違う。


「《闇組織》に対抗するためには、一刻も早く力を使いこなし、敵を葬る必要があります!」


ちなみに俺は、とある事情でこの学校に入学した。



「皆さんは誕生日を迎えた時の夜、神様から力を与えられたと思います。その力の能力を完全に把握していますか?」


皆が一斉に頷く。

そして、先生が


「そうですか!では、今からその力を使って、改めて自己紹介してもらいます!訓練場に行くので、準備してください!」


とびっきりの笑顔で言った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


各々が、力の能力と一緒に自己紹介していく中、イケメン委員長こと、翔の出番になった。


「僕の名前は、風馬翔です!能力は、【無限の剣】です。異空間から、色々な能力が付与されている剣を取り出して戦う、前線向きの力です!」


あー、やだやだ。それって前線だけじゃなく、取り出す武器によっては後方支援もできるじゃ無いですか。そんな反則級な能力が存在するのか。


わーっと皆から喝采を浴びている翔を僻んでいると、優の番になった。


「私の名前は、中野優です。能力は【女神憑依】です。

主に後方から支援魔法や回復魔法を掛けたり出来ます…。私に出来ることがあれば協力するので、どんどん頼んで下さい!」


皆から拍手をもらう中、俺は優の能力について考えていた。


この能力、優が言っていたように、後方からの支援がメインだ。だが、【女神憑依】は、憑依する女神が戦闘特化型の女神だったら、神と対等に戦える事ができるんじゃ無いか?


俺は【女神憑依】について真剣に考察していると、


「おい、次お前の番だぞ」


と、近くにいた男子生徒に促された。


ハっとなって急いでみんなの前に立つと、自己紹介をした。


「俺の名前は、雪村留糸。力は、【魂の共鳴】。

これは、どんな存在でも、命さえあれば意思疎通ができる能力です。戦闘向きでもなく、支援出来る物でも無いので、自衛隊の人たちのお手伝いでもするつもりです。これからよろしくお願いします!」


みんなに爆笑された。


え、なんで爆笑するの?


意味が分からなかった。


…おいまて、先生まで笑っているじゃねーか!


困惑顔を浮かべていると、ヤンチャグループの1人が、


「なんだよ、その雑魚い能力!お前の体格にぴったりじゃねーか!!だっはっはっはっはっ!」


と、俺の能力と体格を笑ってきやがった。


体格は関係無いだろとか思いつつ、反論の一つでもしようかと考えていると、風香先生が質問してきた。


「自衛隊のお手伝いをするつもりでしたら、なぜ、この養成高校に入ったのですか?」


「そんなの、自衛隊の訓練についていけないからですよ」


と、答えた。


その質問の返しに、先生はより一層笑顔になった。


「では!もうチャイムも鳴りそうなので今日はこの辺で終わりましょうか!」


そう締めくくり、1時間目終了のチャイムが鳴ったと同時に、巨大な爆発音が鳴り響き、天井やその周辺が大きく崩れ落ちてきた。































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