獣耳は至高 by『七柱の大賢者』ビスラグス
だんだん筆者はふざけるようになりますが、気にしないでください。
「まあ、ドラゴンが可哀想だから、もうこの話はやめようぜ?な?」
そう言って、ダラダラコーヒーを飲んでいた男はのそっと立ち上がり、伸びをする。
「イツキっち、じゃあ他になんの話題があるって言うのにゃ?ココ最近は世界が平和になりすぎて反吐が出るほど暇にゃんだけどにゃ!」
「じゃあなんか、新しい趣味でも見つけろって。」
「うちは脳筋だから戦うことが趣味にゃー」
「トライアスロンでもしてろこのやろ」
そう言って、イツキと呼ばれた男はドヤ顔を決めた#猫娘__カトルス__#を軽くあしらう。
この二人は、ブリガストロ皇国のギルドである『アルトリアの旅団』のメンバーだ。
その中のおよそ2%、24名のSランクの中の二人が、この男イツキ・モーがトルと、猫娘のミーシャ・バルトラルである。
どちらも一般市民(街で買える麻の)服装をし、イツキは腰に魔力干渉用の小型の杖、ミーシャは背中に片手剣を背負っている。猫耳が尊い(関係ない)。
「おい、もう帰るぞ。」
「なんでにゃ。まだケーキ頼んでないにゃ」
「さっき四つも頼んでたろもういいだろ()」
「いつもは八つ食べてるにゃー」
「ねえ、まさかと思うけど、毎日...?」
「あれ、言ってなかったっけにゃ。」
「バケモンかおめえはっ!!!って、( ˙꒳˙ )ファッッッ??」
そうイツキが叫んだ瞬間、二人の足元に魔法陣が浮かび上がる。
魔法陣発動時特有の甲高い金属音が、店内に響き始める。その時、
「たいっっっへん申し訳ありまっせん客様あぁッッッッ??!しょーうしょううるせえんで消えろクソッタレッッッって、おい、何その魔法陣ふざけんなよ、おい、聞いてんの???!!」
さっきから五月蝿い客に堪忍袋の緒が切れたのか、口が悪くなったメイド服のお姉さんが、その光景にビビりもせずさらにキレる。(無論ほかの客は刺すような目で二人を睨んでたけれど、それぐらいの視線は気にしない二人なのだ)
「12...24...36...48...ろ、67重偶発型強制魔法陣...????!!...あ、有り得ん......こんな不完全な形のデバイス配置と魔核結晶回路...いや...でもこれは...遅延??!...なるほどここで発動時間を遅延してこことここの魔核結晶回路を間に合わせるのか…これは新しい...ふははこれで私のビューティフルでスーパーパーフェクトな重力反転魔法がついに完成するゾハッハッハいってぇっっっ???おい、てめえ柄で後頭部殴んじゃねえ死ぬだろ!」
「バカ魔術師っっっ!!!わけわからにゃいこと言ってないでにゃんとかしてくれにゃ!なんかこの魔方陣に体が拘束されて動けないにゃ!あとめっちゃ店員さん怒ってるにゃ怖いにゃ...!」
「何っ???!こ、この魔方陣は、事象干渉術式も組み込まれているのか...っっ???!!...あぁこの魔法陣全部模写して研究しぐほぁっっっっっ????!?だから後頭部殴んじゃねえよ俺のこと殺す気???!!」
「早く脱出しないとダメ、って…もう遅そうにゃ......HAHA...」
そんなこんなでモタモタしているうちに、ついに術式が完成してしまっていた。
ガチャ
世界と世界が、繋がる音がする。
別次元でもなく、もちろん精神界でもなく。
不特定多数の平行世界に繋がる音が──
スッ(穴に落ちる音)
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ゛ッ゛ッッッ????目が回るニ゛ァ゛ァァァァッッッ????!!?」
「hahahaッッッ!!!三半規管強化した俺の前に⤴︎こんなオrrrrrr⤵︎(以下表現自主規制)」
「おいこっちむくにゃあ!ああ!やめてきったねえっ!!うにゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ...................」
「ん゛ん゛ん゛ん゛っ゛っ゛っ゛!!!!
き゛ぃも゛ち゛い゛い゛い゛っ゛っ゛!!!」
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──その日、ブリガストロ皇国で二人、S級冒険者が行方不明になり、人間界を騒然とさせたのであった...
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