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それでも娘に恋をする。  作者: 紅葉長助
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2つの自分

とりあえずストーリーと展開固まりました。修正あったらすぐに直します。拙い文章力では、ありますが、お付き合い下さい、よろしくおねがいします。


家に着いた、何故だか頭がガンガンする。ベッドに座り頭を抱えていると、意識が2つある事に気づく。

「アナタはどなたですか?なんで僕の体に?」

私「私は川島良介、とある事件に巻き込まれて、植物状態になってしまい、意識が君の体に入ってしまったらしい。君が龍之介か?」

龍之介「はい。なんと呼べばいいですか?」

私「リョーサンで。」

龍之介「どこかの派出所に居そうですね、覚えやすい。」

冗談で言ったのだが、受け入れられてしまった。

私「私はリュウと呼ぶけどいいかな?いつか消えてしまう存在かもしれないし、いつまでも君の体に居座るかもしれない。とりあえずしばらく厄介になるよ。」

リュウ「構いません。僕よりあなたの方が…僕は弱虫で臆病で、なんの取り柄もない。」

私「自分を卑下してはいけないよ。君はある意味大物だと思うけど?あっさり私を受け入れてる辺りが。」

励ましてる訳ではなく、本当にそう思った。こんな事を誰が信じらるだろうか?この少年はあっさり私の言葉を信じ、受け入れた。私もこの少年を信じてみようと思った。

リュウ「ありがとうございます、しかしこの頭痛は意識が2つあるから起こる現象なのですかね?」

私「おそらくとしか言えないけど多分ね。さっきまで無かったけど君は寝てたのか?」

リュウ「はい、夜型なので。たまにこんな時間に起きます。学校でも休み時間はひたすら寝てます。」

私「そうか、君が寝てれば私は平気で、私が寝てれば君は平気なんだな。意識2つの時はどちらが体を動かすのかな?」

リュウ「それはリョーサンが動かすと思います。実は何度か起きてしまい、動かそうとしてみたんですが、僕の意識では体を動かすことが出来ませんでした。」

私「そうか、授業中とか度々頭痛はあったけどその時々で、君が目覚めていたというわけか。」

リュウ「はい、すいません。」

私「謝ることはないよ。お互い何も知らない訳だし、これから色々な発見もあるだろう。よろしく頼むよ。」

リュウ「こちらこそ。でも家では僕に体を預けて貰っていいですか?」

私「わかった。でも勉強もいいけど、少しは体を鍛えないとな。ランニングと、筋トレしてプロテイン摂取してから交代な?」

リュウ「は、はい…」

そしてすぐに私は眠りに入った。

私が眠りに入ると何やらモゾモゾ動いているようだ。まぁ、思春期だし仕方ないか。そう思いもう一度意識を落とす。



次の日は日曜日で、二人のお互いのルールと、現状の説明をした。

まず交友関係は皆無だったので身内に対する対応だけで平気そうだ、授業は基本的にリュウが、放課後から帰宅までの間と休み時間は私が。

しかし友達居ないとか寂しすぎるだろ。

リュウ曰く、友達は要らないらしい。足を引っ張り合い、見苦しいとかなんとか。私は真剣に説教をかましたがどうだろう。いつか分かってくれると信じて。そしてレイの事を話すと悲しい声で同調してくれた。

お互いの事を多少理解すると、余計な考え事が減ったせいか気が楽になった。リュウは純粋な優しい良い子だと知った。





次の日、学校へ行く日なのに、リュウが起きない。仕方ないので私が連れて行くことに。

朝食をせっせと口に放り込み、ブラックコーヒーをごくり。歯を適当に磨き、行ってきまーす。と大声で。

母親の驚いた顔を後ろに、確認してドアを閉めた。リュウは嫌がるかもしれないが、挨拶は日常の基本だ。親にもしっかり挨拶。

自転車にまたがり急いで学校へ向かった。



学校へ着くと、さっさと上履きを履き、教室まで早歩きで向かった。ギリギリセーフ、出席をとる直前だった。急ぎ席に着くと、リュウを起こさないといけないので呼びかける。

私(リュウ、起きろ、学校だぞ。)

リュウ(すいません、寝坊してしまい。)

私(寝る、何かあったら起こしてくれ。)

寝るというより無心になるだけで、目と耳を塞ぐ様な感覚である。これでリュウに頭痛がする事はないだろう。そして授業が終わるまで大人しくしておく。リュウは本当に寝てると思うが私は夜にしか寝れない。

昼休みになり、たくさんの学生で廊下は埋め尽くされる。学食に行く者、中庭でお弁当を食べる者、購買でパンなどを買い教室で食べる者、様々だが、リュウはお弁当派である。どのクラスも半分は教室で食べるタイプで、半分は学食と中庭やベランダである。参った。弁当を忘れてきてしまった。。。途方にくれていると、あたふたしながらキョロキョロしている美少女を見つけた。リュウの妹の光希ミツキである。

光希「お兄ちゃん、お弁当忘れたでしょ?はい、これ。」

私「おぉ、ありがとう。妹よ。持つべきものは最愛の妹だわ。」

光希「は、はぁ?ま、まじでキモいんだけど。じゃーもう行くね。」

顔を赤くして光希は走り去っていった。ツンデレのブラコンなのか?と思ってしまった。光希は中学二年生でティーン誌のモデルをやっている。ただの読者モデルだが、割と人気があるらしい。もやしっ子リュウも顔立ちは美少年だな、そういえば。

感謝しながら弁当を食べ始めようとすると、何やら人が集まりだした。

男子A「今のだれ?めっちゃ可愛いんだけど。紹介してよ?」

男子B「おい、ズルイぞ。俺にも紹介してくれよ?」

女子A「ねぇ、高島くん。今のってモデルの高島光希でしょ?苗字同じだけどもしかして身内だったりする?」

女子B「今度の休みに一緒にカラオケ行かない?」

男子C「連絡先教えてよ、今度遊びに行こう。」

なんか妹のおかげで人気者になってしまったようだ。。。リュウは素で寝てるしな。どーしようか迷う。勝手に友達作ったら絶対に嫌がるだろうしな、連絡先を教えて適当にずらかるか。

私はとりあえず連絡先を交換して携帯のメモリーに名前と電話番号を入力した。

妹を紹介してくれって言った二人はタカシとリク。妹を知っていた少女はアリサ。カラオケに誘ってきたリナ。今度遊びに行こうと言ってきたカケル。全員AINアプリをインストールしていたので、連絡手段はAINになりそうだ。次の授業が始まりそうなので、

私「そろそろお弁当を食べさせてくれないか?腹ペコなんだ。」

にっこりやんわり席に戻ってもらった。そしてリュウとスイッチ。

リュウ(何が起きたんですか?やたら視線を感じるし、騒がしいのですが。)

私(妹が来た、そして男子、女子が押し寄せてきた。適当にあしらうか、友達になるかは自分で決めてくれ。連絡先を交換してしまった。軽い友達付き合いくらいは許してくれ。)

リュウ(煩わしいのは嫌いなんですが。光希が来たんでしたら仕方ありません。究極に可愛いですから。)

初めて見るリュウの顔に驚いた。シ、シスコン。。。そして妹もまんざらではない。部屋にあるエロゲも妹ものばかりだったな、そういえば。

美少年なのに彼女いないのはそういうわけか。そして授業が始まり、弁当を半分程残して私は意識を落とした。リュウは彼らに、どの様に対応するのか興味が湧いてきた。

放課後、やはり彼らは集まってきた。

が、先約があると言い、私はCクラスに移動した。レイとコミュニケーションを取りたかったからだ。友達と話しているレイが振り向く。

私「レイ、一緒に帰らないか?」

C組の教室の入り口で呼びかける。

レイ「今日はバイトだから、途中までならいいよ?」

レイと一緒に下校し、そして病室での一件を謝った。レイは全く怒ってなくて自然だった。来週の日曜日にまた、一緒にお見舞いに行くことになった。が、この世で一番見たくないものを見る羽目になるとは、この時は全く予見していなかった。






お見舞い当日、病院の受付には既に私より先に名前が書いてある。レイは先に病室で待っているようだった。私は名前を書いてすぐに病室へ向かった。そこには寝ている私の体の横で大泣きしている娘の姿があった。嗚咽し、たくさんの管に繋がれた私の体に寄り添い泣き叫ぶ娘がいた、。。

見たくなかった、私の中途半端な正義感と間抜けさが、娘をこんなに悲しませている。何か安心させる声を掛けないといけない。娘の不安を打ち消せる何かを。

私「泣いていても始まらない、お義父さんの見たい君は泣いてる姿なのかな?君が幸せにしている姿なんじゃないのか?」

レイ「…パパと同じ口調で、似たようなこと言わないでよ…わかってる、わかってるのに…もうパパに会えない…そんな気がして…不安で、たまらないの。」

私「ここにいるよ、体も、魂もね?」

レイ「なんであなたにそれがわかるの?」

私「感じないか?暖かい視線を、優しい手を。君を包むように、君を守るように。」



レイ「やっぱり、あなた、パパみたい…もうパパの前じゃ泣かない。私もっと強くなる。決めた。」

強くいい子に育ったな、そう思いながら自然にレイの頭を撫でていた。娘の瞳が力強い色に変わったのを感じた。私はまた娘を泣かせた自分を許せないが、娘の成長を見れて、またもや嬉しさ半分、不甲斐なさ半分になった。今日一緒に来てよかったと思った。

私「そろそろ行くよ、積もる話もあるだろ?また来るよ。」

そう言って、私は病室を出た。

レイ「来てくれてありがと。気をつけて帰ってね。」

父親と二人きりの病室、レイは戸惑っていた。

レイ「たまにパパとダブる。あの人の優しい目、言葉、態度…やばいかも…初めてパパ以外の男の人を好きになれそう…」







家に着くと妹がリュウの部屋で待っていた。ベットに座り、何やら根ほり葉ほり聞いてくる。どこで誰と居たのか、学校の事とか。どうやら少し勉強を見る約束をしていたらしい。私はリュウとスイッチし久しぶりに深い眠りについた。

病室での一件はどうやらリュウに聞かれていたらしい。妹ラブなリュウは少し戸惑っていた。変な相談を持ちかけてきた。

リュウ「初めて妹以外の女の子を可愛いと思ってしまった。リョーサン、僕はどうすればいいのでしょう…」

な、なんですと?レイを好きになってしまったと、そういう事か。しかし思う、変な男子ならともかく、リュウならレイを幸せに出来るかもしれない。 

私「私以上に娘を愛した時、君に娘の全てを託すよ。」

心から思った事をそのまま言った。

リュウ「いや、まだそこまでは。妹を愛してますし。」


このシスコンやろーが。心の声が出てしまっていた。そもそも2つの意識があるのに思ってる事筒抜けなんじゃないのか?と思っていたが、はっきり相手に呼びかけない限りは伝わらないらしい。

しかし、どうだろうか。このシスコ…じゃなかったリュウは、人生で初めて身内以外に興味がでたわけだが、まんざらでもない妹の気持ちや自身の妹への気持ちはどうするのだろうか。…暖かく見守るしかないか、こればかりは。








翌日の学校、昇降口でレイと遭遇し目を合わせたた。

レイ「お、おはよう、昨日はありがとう。」

リュウ「お、おはよ。こ、こちらこそ。」

何をどもってるのか、そして、何故にこちらこそなのかレイは不思議に思い首を傾げた。

レイ(…ん?いつもと雰囲気が違う。ドキドキしない、パパとダブらない。仕草も、口調も。)

リュウ「じゃ、じゃあまたね。」

レイ「あ、うん。」

そして二人は別々の教室へ移動した。





教室では、始業のチャイムが鳴るまでは、大抵の生徒はお喋りなどをしているが、レイは違っていた。普段は次の授業の宿題の確認をしているが、今は頭の中がごちゃごちゃしている。そして、時折出る溜息、気になった友人のエミが話しかけた。

エミ「レーちゃん、どうしたのー?溜息なんかしちゃってー。何か悩みでもあるのかな?オネーさんに話してみそー?」

レイ「悩みっていうか、考え事。見た目はただの美少年で、中身はモロに私好みのストライクに近い。好きで好きでたまらない人の模造品みたいな感じの人に出会った。けど、似てないかもって思い始めた。」

エミ「見た目良くて、中身良かったら、それで良くない?」

レイ「んー、それなんだよね。恋なのかどうかすらわからない。何度か話しただけじゃ何もわからない。けど興味はある。あなたはだれ?っていうのが私の本音。」

エミ「それね、知りたいんだと思うよ。その人の人となりを。見た目美少年とかちょっとムカつくけど応援するよ。…あー、ちょっと前にレーちゃんのお義父さんの病院聞かれたことあったわ、真面目そうなイケメンに。」

レイ「多分その人…だと思う…気になってるの…」

エミ「男に興味ないって言っていたレーちゃんが遂に。ううぅ。」

レイ「興味ないんじゃなくて、パパみたいな人がいないだけ。」

エミ「出た、ファザコン。」

エミは冷やかすようにケラケラ笑っている。

レイ「ファ、ファザコン言うなし。」




一方龍之介のクラスでは、

リュウ「お、おはよう。」

クラスメイト何人かに向けて挨拶をすると、数人が寄ってくる。タカシとリクが、妹の出ているティーン誌を持っていた。

タカシ「高ちゃんの妹、ちょー可愛くね?」

リク「いつ紹介してくれるの?」

リュウ「…断る。妹は僕が認めた奴しか付き合わせん。可愛すぎるから見た目と中身の釣り合う奴のみ、許可をする。」

性格が変わっていた。妹ラブ強過ぎるなこいつ。

タカシ、リク「シ、シスコン?」

否定は…出来んよ…リュウ君、君は、シスコンだよ。

リュウ「し、失礼な。妹を愛していて、少し過保護な兄なだけだよ。」

す、少しか、大分な気がするが。まぁいいか。

私も人の事言えんし。


始業のチャイムが鳴ると一斉に席に着く。体育祭についてのホームルームが始まる。

この学校はクラスで半分ずつ、赤と白に分かれ争う最もシンプルで分かりやすい体育祭だ。

スポーツテストの成績で同じくらいになるように分けられる。体育委員は放課後に残って、打ち合わせがある。

先生「男子の体育委員は、高島か、女子は佐々木だな。放課後、会議室に集まるように。」

リュウ「へ?僕??」

私(すまん、リュウ、誰も手を挙げなかったから、ついな。)

リュウ(リョーサーン)

色々な意味でも頭が痛い、リュウは運動が嫌いである。

相方は佐々木紀子ノリコ真面目そうな眼鏡をかけた知的美人である。

リュウは憂鬱だった、コミュニケーションの苦手な彼が、人と話す機会の多い、行動的な委員会につけられた挙句に面倒な体育祭実行委員をもしなければならない。この学校では、体育委員イコール体育祭実行委員兼応援団である。他の仕事はない、体育祭実行委員を決める手間を省くために与えられた名誉職だ。誰も手を上げないのはそんな理由も存在する。とにかく面倒い、当日の集合時間も早いし、用意、片付け、競技の手伝い、プログラム作成、選手宣誓。選手宣誓は三年生の仕事だが、応援旗持ったりの応援団も兼ねる。心から申し訳ないとリュウに謝罪する。






放課後、会議室では知ってる顔が何人かいた。

チャラ男三号四号と、レイだ。自己紹介が済んだところで、議題に入る。

上級生「まずは、プログラムの作成から入る。徒競走は3クラスずつ行い、それぞれ6位5位4位3位2位1位とポイントが振られる。A組とH組は2クラスで行い、4位3位2位1位とポイントが振られる。1位10点、2位6点、3位5点、4位4点、5位2点、6位1点。という具合だ。質問はあるか?」

上級生「学年競技は一年生が大玉ころがし、二年生が棒倒し、三年生が大縄跳びだ。質問は?」

せっせと進める先輩について行けずにみんなが素早くメモを取る。

進行が早すぎて、全然わからんし、質問していい雰囲気などは皆無だった。先輩そんなにはやく帰りたいの?って思うくらい。

上級生「担当は既に決めておいた。手元にある資料3ページ目にどのクラスがどの競技の担当なのか書いてあるから見ておくように。以上解散。」

ちょっと先輩、仕事が早すぎ。でもこの資料、すごく分かりやすい、こんな部下いたら便利だな、とか思ってしまうレベル。会議が終わるとレイが近づいてくる。

レイ「りゅ、龍之介も体育委員だったんだね。よろしく。」

私「初めて名前で呼んでくれたな、こちらこそよろしく。」

咄嗟に出てきたのはリュウでなく、私だった。体育祭については責任持ってやってください。と言われたので仕方なくスイッチしていた。レイは照れていたようで、あたふたしながら教室へ帰っていった。残っているのはチャラ男達がお喋りしているのと、他の上級生がお喋りしている程度だった。そろそろ行くか、私もノリコと教室へ向かう。打ち合わせをしながら歩き、役割分担を決めておいた。私は得点ボード係、片付け。ノリコは順位誘導と準備。お互いそれしか会話がないと思っていたが、ノリコが口を開く。

ノリコ「あなた、だれ?」

唐突な質問だった。

私「僕は高島りゅうのす…」

遮るようにノリコは言う。

ノリコ「二人いるでしょう?あなたの中に。あなたは高島くんじゃないわ。」

私「見えるのか?私が。」

ノリコ「感じるだけ、二つの魂を。あなたの中にそれは存在する。そして、今こうして出てきてるのは別の魂だってわかる。」

私「いつか、それを誰かに話さなきゃいけない時に話す、と言ったら許して貰えるかな。正直まだ何も言えない。自分達も戸惑っている、すまない。」

そう言って、そそくさと退散した。何者なんだ?あの子は。霊能力的な力が強い子かな?仲良くなっておくべきか、距離を取るかは、リュウと相談して決めよう。



昇降口でレイが友達とダベっている。

レイ「うん、体育委員で同じだった。今日初めて名前で呼んでみたけど、ちょー恥ずい。朝とは別人みたいだった、なんていうか感覚が。」

エミ「時折、レーちゃんのパパとダブって見えるって言ってたあれ?」

レイ「そう。パパだったらツンデレっちゃうところだけどね。」

エミ「出た、ファザコン。」

レイ「もう。冷やかさないでよー。」

笑い声とともに聞こえてきた会話に、ドキッとする。やはり娘はファザコンだった…じゃない、娘も気付き始めてる。これも含めてリュウと話さなきゃいけない。足早に自宅に帰り、リュウと話す。

私(…という訳なんだが、どうしようか?ノリコに気付かれ、レイにも感づかれている。)

リュウ(どうもしませんよ、ノリコには、事情を話して、レイさんにはいずれ機を見て、でいいんじゃないですか?)

全く同じプランだったが、どう説明していいのやら。ノリコにはリュウから説明してもらう事にして、レイには向こうから言われるまで黙っていよう、とそう決めた。






次の日、ノリコを中庭に呼び出し、リュウの口から説明される。

リュウ「僕の中にいるのは、川島良介さん、とある事件で植物状態になってしまい、体から抜けて僕の中に入ってしまったんだ。体は病院のベッドで寝ている、魂というのかな?意識だけ僕の中にいる。」

ノリコ「事情はわかった。けどあなたの肉体と精神に、何らかのダメージを負うはず。」

リュウ「意識を2つ持つと頭痛がするけどそれくらいかな。別に何の影響も無いよ?今のところは。」

ノリコ「注意するのね、その頭痛、長く続くとあなたの自我を破壊する。いえ、あなたの意識が殺されるわ。」

リュウ「えっ?」

ノリコ「私に出来る事は何も無い、ただ注意や注告をする事しか出来ない。もう行くわ。」

リュウ(どうすればいいか、わからない。リョーサン、僕が、僕じゃなくなる?)

私(聴いていた、なるべく私は君の体を使わないし、誰とも会話しない。君が、君を動かすんだ。困った時だけ力になるから。私は君を壊したくない。)

私は、傍観者になると決めた。リュウが決め、それを見守ると。午後の始業のチャイムが、虚しく響いた。

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