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ありふれた教室で

とりあえず初投稿です



「召喚に応じてくれた事を心から感謝する。」


豪華な椅子にふんぞり返り、こちらを見下すように視線を動かす一人の男。偉そうな態度に感謝の気持ちを微塵も感じさせることのない言葉に俺は内心で苛立っていた。



時を遡ることおよそ一時間。夕日が教室内を照らす頃、横顔に日が当たった事で目を覚ました俺は眠い眼を擦りながら教室内を見渡した。室内には俺を合わせて6人がいるようだった。その内の一人御崎菜緒が起きた俺に気づいたのかこちらにトコトコと近寄ってきた。


「やっと起きたね。君は相変わらずよく眠るね。」

「そういうお前も相変わらず物好きだな。」


机の中に入れていた眼鏡を取り出してもう一度御崎の顔を見る。ニコニコとこちらを覗き込み、「起きた?」と聞いてくる。


「たまには一緒に帰る?」

「いや、佐々木達と帰ればいいだろ。帰る方向も逆だし……」


軽く伸びをして、枕にしていたために少し痺れを感じる右手を軽く振った。首を左右に振って肩を回し、改めて残っている四人の顔ぶれを確認する。佐々木浩介を筆頭に中川桔梗、高良志那乃、田辺愛香が輪になっていた。


「たまにはと言ったでしょ。友人と交友を深めるのも私には大事だと思うのだけどね。」


御崎の言葉に「物好きめ…」と呟いて帰り支度を始めようと鞄に手をかけたその時、視界がグラッと揺れた。


何事かと御崎を見ると、彼女も困惑するように回りを見ていた。どうやら俺だけではないと残る四人に視線を移した。


そこには真剣な眼で回りを見回す佐々木と、その両腕にしがみつく中川と田辺。そして御崎に視線を合わせる高良がいた。大きな衝撃に感じたが、回りを見渡す感じでは地震ではない事が推測された。


「なんだ……」


ぼそりと呟いた俺の視線の先に小さな違和感があった。俺と御崎、そして残り四人との丁度真ん中辺り、数瞬前までは何もなかった木目の床から天井に一筋の光が立ち上っていた。


訝しげにそれを見ていると、もう一度グラッと視界が揺れた。その瞬間、注視していた光の柱は一気に範囲を広げ、俺達6人を飲み込んだ。


柱内には床に奇妙な模様があり、またそれを視認できた数瞬後には光に視界が埋め尽くされていた。

誤字脱字、文章指摘等あればよろしくお願いします

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