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六十糎水槽(詩集)  作者: 桂川 昇
1/5

ガラスのボカージュ

低い雲がたれこめる

冷たい秋の雨が降る

傘もささず雑踏を歩く

前髪を伝い流れ落ちる雫


この砂糖菓子のような四角い町には空がない

グルグルと回る鉄路から見える町には稜線もない

幾万の人を載せ、きしむ鉄路

幾億の材を載せ、うなる道路


かせに繋がれてた罪人の見る夢は

子供の頃に見た夢ではなく

しがらみに繋がれた貴族の見る夢は

子供の頃に見た夢ではなく


この砂糖菓子のような四角い町には空がない

グルグルと回る鉄路から見える町には稜線がない

不自然に整えられた街路樹

煌きで飾られたガラスのボカージュ


この土の匂いのしない町で

低い雲を見上げ

鼻腔に薫るは故郷の風

目蓋に映るは自由への夢


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