081:聖女の祈り
「おはようパティ、おねぼうさんだね!」
金の髪に青い目の青年が話しかけてくる、綺麗な瞳
「おはようございます、ランディ様」
抱きしめる、そしてキスをする
「食事のしたく出来てるみたいだよ、行こう!」
「はい」
メイド服を身に着ける
「そういえば昨日は何してたの?朝起きれないほど疲れちゃうなんてさ」
ランディ様が興味津々に聞いてくる、秘密です、、、ごめんなさい
「朝起きれなかったのは、ランディ様のせいです!」
抱きつきキスをする、えへへと笑っている
「ランディ様、昨日綺麗な指輪があったので買ったんです、お揃いです」
指輪を取り出す、二つで一対の魔道具だ
「貰ってくれますか?」
「うん!うれしいよ!パティ僕にはめて、パティには僕がはめるよ!」
「はい!」
「エンゲージリングだね!マリッジリングは僕から贈るね絶対だよ!」
エンゲージ?マリッジ?
「エリックおはよう!」
「おはようございます、エリック様」
「ああ、お前等遅い、ゆっくりしていいといったが限度があるぞ」
食事の支度が3人分してある、どなたか来るのだろうか
「パティ、お前の分だ座れ」
「3人で食事するの久しぶりだね!」
ありがとうございます。
「今日出立する、行程は2日ほどだ」
「和平交渉なんだよね、戦闘は無い?」
「ああ、交渉といっても内々のものだ父上には承諾を貰っているが
あちらはあくまで王子派のみでの交渉だ
カーライル国としては軍閥派の侵略推進が優勢だしな
お前はあくまで保険だ」
父上が何か仕掛ける可能性も捨てきれん、パティの同行を許可したことといい
カーライル国内でのランディの暴走を誘発、などという考えもありうる
「あっちは勇者来るのかな、2人ともジャパニーズなんだよね楽しみだなあ!」
「こないぞ?」
「えぇぇぇ!なんで!どうして!」
「女勇者は行方不明、男勇者は修行中だ」
「ゆくえふめいってなに?ぼくのものなのに」
これも駄目なのか?パティを見る
「ランディ様」
「え?え?パティなに?どうかした?」
ランディは自分のしていることをパティに知られるのを恐れている
知られてないと思っているほうがどうかしてるが、まあいい
戦場でランディに犯される第二王女レオノーラを目撃したとの報告も上がっている
父上にも報告が届いているだろう、何も動かないところを見ると見捨てたのか
全て壊れてしまえと思う自分がいる、全て捨ててしまえと思う自分がいる
既に壊れてしまっているランディをうらやましいと思う自分がいる
「護衛の冒険者さんもギルドカード見せてくれ」
「わかった、2人ともギルドカードをよこせ」
今日は妙にパティとランディが一緒にいたがる、お前等護衛してるんだぞ?
「はーい!」
「はい」
「お前等どこぞの新婚か?べたべたするな」
「エリック焼きもち?、だけどパティはわたさないもんねー!」
「勝手にしろ!」
商隊の護衛ということでナラカの街へ向かう、全て手の者だが総勢10人だ少ない
「うわっ、ごちゃごちゃした街だね!」
ナラカの街は、近年発見された迷宮を中心に街が拡張されつつある
まるで街自体が迷路のような有様になっている
「取り合えず今日は休むぞ、宿に行こう」
「久しぶりにベッドで寝れるね!」
「そうですね」
「パティは寝かせないけどね!」
「お前等黙れ、とっとと行け馬鹿」
「馬鹿って言うほうが馬鹿なんだよ、エリック」
「黙れ阿呆」
まったくなんなんだ、浮かれ過ぎだろう
「なあ、カーラ」
最近カーライル王第一王子であるグレン・カーライルが毎日訪ねて来る
「うざい」
「な!ひどいな!」
「ああ、すまないね、思っていたことが口に出てしまったよ」
「余計ひどいぞ!」
他愛の無い会話をして帰っていく、なんだろうね直接聞いてみるかね
「で、何が知りたいんだい?」
ビックリした顔をしているが、本心はやっとかと思っているのだろう
「ああ、ローランのエリック殿と勇者殿がそろそろ来るんじゃないかなあ、と」
へえ?この街に来た本当の目的はそれかい、あちらの奇襲というのじゃないんだね
「そろそろ街に入ったんじゃないかね?」
「あ、やっぱり連絡取り合っているんだ、怖いなあ」
よくいうよ
「ここ数日で妙な連中が増えてるが、あんたの手のものかい?」
「ん、ローランの工作員じゃなくて?」
「ああ、工作員じゃないだろう、魔術師が多数入り込んでるんだがね?」
「...」
なんだ、情報が漏れている?
宮廷魔術師殿は勇者カネダの育成をしているのではないのか?
やつの後見は戦争推進派の貴族どもだ、俺の暗殺か?
扉が開き男が入ってくる
「こんにちは」
「!」
誰も入れないようにしていたはずだ、どういうことだ?
「勘弁しておくれよ」
カーラが頭を抱えている
「エリックという、グレン・カーライル殿でよろしいか?」
「抜け出してきちゃったね」
街の大通りにランディとパティの姿がある
もしかしてエリック様はわざとこの状況を作るために?
「ランディ様、、このまま2人でどこか遠くへ、、」
「勇者だ!!」
「ローランの勇者だ!」
「皆殺しの勇者だ!」
四方から声が上がる、これは!闇魔法が練りこまれている
「殺せ!殺せ!」
だめ、やめて!
「うるさいなあ」
ランディ様が剣を抜く、だめ!
「剣を抜いたぞ!皆殺しにされるぞ!」
「殺せ!殺せ!」
だめ、恐怖と恐慌が広がっていく
「ランディ様やめて!だめです!」
「ランディやめろ!剣を収めろ!」
エリック様!
「やつらを捕縛しろ」
カーライルの兵が声を上げていた人達を捕まえていく
「エリック!呪縛を解け!」
ランディ様が叫ぶ
「駄目だ、やつらは和平交渉を決裂させるために入り込んだネズミだ
誰の差し金かの追求はカーライルの兵に任せる」
「ランディ付いて来い、宿に戻るぞ」
ランディ様はエリック様の後を付いていく、よかったこれ、、、で、え?
魔道具永遠の誓いが発動しました!
隷属の呪縛に上書きを行います、、、失敗
光魔法、聖女の祈りを発動します
隷属の呪縛に上書きを行います、、、成功
隷属の呪縛が無効化され永遠の誓いとなります。
聖女の祈りにより術者が消滅します
永遠の誓いが無効化されます
--------------------------------------------------------------------------------------
聖女の祈り:聖女限定魔法、純粋な願いにより発動、内容は任意、発動者を消費
--------------------------------------------------------------------------------------




