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年上の君  作者: ウタ
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8/8

side 最終話


「ユウさんっ!」


俺にパスを寄越したものの、焦った慎さんの声と、俺の進路を塞ぐ敵チームの主力。

第4クオーターで残り時間30秒、45-46で俺達のチームが負けている。誰かにボールを戻す時間も、パスを出せる相手もいない。敵さんも、俺にシュートを決めさせる気はない。


だが、俺はシュートを決める腹積もり。


チラッと客席を見ると、ドSの満先輩がいた。

…先輩もバスケ上手そうだよな。来年は4年だからそんな暇はないだろうが、勧誘したい。


雑念を振りはらう。

今日は、絶対に勝たなければならない。


俺の前に憚る敵に囁く。


「先輩、通してくれたら、後でイイ事しますよ……?」


時間を気にしつつ、微笑むことは忘れない。


「え、、、」


一瞬で赤くなる単純な敵の隙をついて、シュートを放つ。スリーポイントラインより手前だけど、入る筈。つか、入んなかったらリバウンドしろよ、ケン。


あいつ以外の前で俺が素を出せるのは、唯一バスケをしている時だけ。この間は、俺がどんな暴言を吐いても「熱中しちゃって」で皆分かってくれるから。


睨みを利かせてケンを見ると、既にリバウンドの体勢に入っている。ケンの隣には、同じくリバウンド姿勢の慎さんが。


パシュという音を立ててボールがリングに入った後に、ピーという笛の音。


48-46

俺達の、勝ち。



ぱぁっとで客席を振り返ると、俺を見ていた視線にぶつかる。

ヒロは、優しい瞳で俺をみていた。


「凄いじゃん」と唇が動くのが解り、俺は満面の笑みを返した。




最後まで読んでくださった方、ありがとうございます!

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