生い立ち
個人的に出来の良い作品とは言えませんし、恥のようなものです。主人公は少年にしようと思っていましたが、勝手が良いので少女にしました。下ネタは多めです。酷評歓迎。完全な状態で投稿していないので、かなり編集すると思いますが、良ければご覧ください。
19**年、流産で死んだはずの赤ちゃんが、産まれて数日後に脈を打ち始めた。
その子に親はヒナと名付けた。
ヒナは何も食べずに育っていき、10歳程の容姿になり、それから容姿は変わらなかった。
そして中学卒業後、彼女は父親と話をしていた。
1
父の部屋にはゴルフバックやら、会社の制服やら、色々なものが置かれ、雑然としている。
皿の上でたくさんの焼き鳥が、ピラミッドのような形を作っている。それを父は錆びた机に置き、机の前のソファーに座る。そして忙しそうに食べはじめる。「そこに座れ」と父が言う。私は父の指をさした所にある椅子に座る。
「これからどうするんだ」父は焼き鳥を食べながら、坦々と言う。今までと違う父の態度に、冷たさを感じる。
「まだ決めてないけど、家には居たくない」
この家には父、母、兄、私、妹がいて、母と兄は少し気がおかしい。その二人からひどく痛めつけられたりしているので家には居たくない。
「母さんのことは分かってるな」
私を怪訝そうに見ながら言う。説教のように感じるが、父は焼き鳥を食べながら言っているので、大した緊張感は持てない。
「お婆ちゃんがいなくなってからだったと思う」
母は辛い経験が多い為、精神異常を起こしたと、同級生が話していたのを最近聞いた。私は私で、当時は急に荒々しくなったのを覚えている。「なら聞くが、お前がいなくなれば、母さんが元に戻るとでも思っているのか」
どこか残念そうに言う。父は母のことを想っての言動と勘違いしているらしい。それに対して何か違和感を感じる。
「だって、私のことを人じゃないって言うんだもん」
実際の理由ではないが、痛め付けられているのは父には隠している。なのでどうも幼稚な聞こえの理由になってしまうが、仕方ない。それに、私が人じゃないという自覚もある。奇病と言うだけには、あまりにおかしい。食べ物を食べてたり、飲んだりしても吐いてしまうのに、餓死せず成長をする。容姿はいつ頃からか変わらない。人の皮をかぶった化け物に等しい。
「お前は人の子だ」
父が私を睨む。父に睨まれたのは初めてだ。父は仕事で疲れているのだろうか。
「人から生まれただけの化け物だ」
父の口調に合わせて言う。続けて言われるような気がしたから先に言った。それに大した意味はないが。
「ふざけるな、母さんのことを侮辱するな。お前は人の子だ。人の子は人だ、分かるな?」
早口で言う。温厚な父が怒っているところを見るのも初めてだ。母さん母さんと母さんのことばかり言っているあたり、相当疲れているらしい。
「ごめん、父さん」
そういえば、今まで親子として話していたが、今は家族として話している。家族として話すのはこれが初めてだ。
「今まで娘だからと甘やかしてきたが、まだ甘やかされたいみたいだな。また今度続きを話そう。」
今にも鼻で笑いそうな顔をし、強い口調で言う。だが言っていることに脈がない。
「うん、また今度。」
私は、父の部屋を出た。
その日、父は遠いところへ出張に出掛けた。
2
ある昔。兄と二人で外に出て遊んでいると変な人たちに拐われ、ギロチン台にかけられて首を切られた。警察が駆け付けたのか、兄は無事だった。私はその時死んだはずだが、その数日後に頭が生えきったらしい。そして今に至る。兄はそれを嫌に思ったのか、今では母と二人で私を痛めつけている。嫌だが、仕方ない。
兄はいい人だ。私が悪い。
父が帰ってきた。3ヶ月いなかったのはしんどかった。父がいない時に限って痛めつけが過剰になる。でもこれでまた暫く安息できる。
父が帰ってきてすぐに、またあの部屋で話をした。
3
私は先に部屋に入り、錆びたテーブルの前に置かれた椅子に座る。父は部屋に入ると、冷蔵庫から缶ビールを開け、中身をジョッキに流し込む。それをテーブルに置く。その後ソファーにもたれかかる。
「話の続きやるか」
疲れきった様子で言う。まともに話せる様子じゃないが、父も父で空いた時間が少ないらしい。
「うん」
前の話についての考えはさすがにまとまっている。
「もう寝言言ったりするんじゃねぇぞ」そう言いビールを飲み始める。
「わかってるよ、でもやっぱり家を出たい」
父の意志に背くようで悪いが、変えられない。
「母さんはお前を痛めつけることでまだ少し、自分を保てているんだ。お前がいなくなったらどうなると思う?」
少し面倒くさそうに言う。
「そんな」
何故か父は私が痛めつけられているのを知っているようだ。妹が言ってしまったのか。
「お前がいなくなったら、母さんは少しも話せなくなる。分かっているのか」
ビールを飲み干し、ジョッキを机に置いて言う。
「そんな、知らないよ」
優しい父は私を見捨てるのか。認めたくない。
「今知ったからいいだろう」父は似合わずひねくれたようなことを言う。
「痛めつけられてること、知ってるなら助けてよ」
父は唯一私を愛してくれた人のはずなのに。
「お前は本当に無自覚だな。俺がお前なら、相談すらしない」
私を睨み、そう言う。
「私だって、母さんのことは好きだよ。でも、もう耐えられないよ」
父なら分かってくれると思ってたのに。家出するしかないのか。
「そうか。なら仕方ないな」
そう言って父はジョッキを握り、立ち上がる。そして、私の後ろを通る。
父さんから、後頭部を殴られたのだろうか。私は痛みを感じる前に、気絶した。
目が覚めると、真っ暗な空間にいた。後頭部が痛む。地面は湿っぽく、冷たい感じがする。
しばらくすると、明かりが出てきて消えた。その後、ライトの明かりのようなものが見えた。
「ヒナ」
父さんの声が聞こえる。
「さっきは殴って悪かった。ただ、お前にはずっとここに居てもらう。母さんの拠り所としてな」
天井のライトが点く。回りには拷問器具がたくさんある。私の足には足枷が付いていて、鎖で鉄の杭と繋がっている。
「父さんは、私に生き地獄を味あわせたいの?」
自然と声が震える。
「母さん次第だ。俺は言われた通りにした」
父が注射器を持って私の方にゆっくりと近付いてくる。
「そう心配するな。この注射は少しの間だが、痛みを感じなくするためのものだ。今後はこれを注射しに来る」私の頭を撫でながらそう言う。
「やだよ、こんなの」
恐怖からか、涙が出る。
「悪いな、お前は若い頃の母さんに似て可愛いし、愛してる、分かってくれ」
そう言って私の手をとり、腕に注射針を刺す。
「そんなこと言わないでよ」
父がひどく嫌な人に見える。
「これは即効性があるらしいからな。試してみるか」父はそう言い、置いてあったチェーンソーを持ち上げ、刃を回し始める。
私は恐怖で声も出ず、体を動かせない。
私の足枷の付いていていない方の足に、父は音を立てている刃を近付ける。
私は辛うじて刃を避けた。
「なんだ、鋤くんでなかったのか」
私は怖くて目蓋を閉じる。
父がチェーンソーを止めたと思ったら、急に足に激痛が走る。見ると、杭のような細めのものが足に刺さっいる。父は一本、先の鋭い、さっき私の足に刺したであろう杭を私の膝目掛けて降り下ろす。また同じ痛みが走る。
「おかしいな、お前随分痛そうだな」
笑いながら言う。そして、チェーンソーを回し、私のふくらはぎの真ん中に少しずつ近付ける。
「大丈夫。今度は痛くないはずだ」
にやけたような声でそう言った。
主人公は不老不死(というか再生する)なので虐殺され放題です。この話ではそこを抑えて貰えば問題ないです。次回は研究所へ行きます。
登場キャラクター紹介
名前.ヒナ
性別.女
性格.活発だが内向的
備考.目は黄色で髪は茶色。髪の長さは中途半端。肌は肌色。身長135cm程体重35kg程。家族では中女。トラウマを引きずるが表には出さない。勉強はできないが運動はそこそこできる。基本的に誰からも嫌われない。なぜか男友達が多く、カップルの仲介者になることが多い。常にムードメーカーの立場だと本人は思い込んでいるが、周りからはマスコットキャラクターとして扱われる。
名前.兄
性別.男
性格.誠実
備考.目の色は茶色で髪も茶。髪質でオールバックになる。肌は肌色。身長165cm程。体重55kg程。初登場時の年齢18歳。事件を機会にヒナを痛め付けるが、母親の方を仕方なく持っているだけで、妹想いの良い奴。末の妹には姉を助けてあげるようにと教えた。
名前.母
性別.女
性格.生意気
備考.目の色は黄色で髪の色は焦げ茶色。髪型はロング。肌は肌色。身長170cm程。体重50kg程。初登場時の年齢45歳。ある日を境に自分で考えることができなくなる。ある人に吹き込まれ、中女であるヒナのみを痛め付ける。
名前.父
性別.男
性格.温厚
備考.目は茶色で髪は焦げ茶色。髪の長さは中途半端で、後ろにゴムを巻いて留めている。肌は少し茶色い。身長180cm程。体重80kg程。初登場時の年齢は49歳。筋肉質。ヒナに嘘を付き、痛め付けるが、本心からではない。俳優を目指していたことがあり、演技が上手い。
名前.妹
性別.女
性格.キザで大人っぽい
備考.目は茶色で髪は焦げ茶色。髪型はロング。肌は白い。身長140cm程。体重40kg程。初登場時の年齢は11歳。姉の悲惨な環境に心を痛めている。兄弟想いで、父を疑い、嫌っている。