第6話 俺とギルド
俺は今ギルドと呼ばれる建物の前に来ている。それも一人でだ。
あの決闘はただの俺がギルドへと向かうための口実としてやっていただけであって、本当にキレていた訳ではない。あと、ここの騎士達の実力を見てみたかったからだ。
そんなこんなで、俺はギルドの扉を開けた。
「中って結構綺麗なんだな~」
そうなのだ。外見は少し古いものなのに中は新品に近い状態だった。これには吃驚した。
俺のそんな声が珍しいのか、ギルドの中に居た人が俺の事を見てきた。
俺はそんな視線を無視して、登録するために受付のところへと歩いていった。
受付に着くとそこに居たのは俺と同い年ぐらいの女性だった。可愛いとは違い綺麗と言った感じの女性だ。
その女性は少しぼーっとしていたが俺が
「ギルド登録したいのだが、ここで出来るか?」
と言ったらはっとして、急いで笑みを浮かべた。そして俺の疑問に対して
「は、はい。こちらでギルド登録出来ます。本日はギルド登録をするために来たと思ってよろしいですか?」
「ああ。」
そう言って俺は頷きながら言った。それを見た女性は
「まずはこの紙に名前を書いてくださいますか?」
それを聞いた俺は、ヤバイ!!この世界の文字書けないじゃん!!どうしよう!!と内心思っていた。
一向に書かない俺を見た女性は
「どうなさいましたか?」
俺はそれに
「文字が書けません。どうすればいいでしょうか?」
と言った。それに対して女性の方は
「先に言ってくれれば良いのに。そうすれば代わりに書くのに。
それじゃあ、名前を教えて?」
急に口調が砕けたが気にしない。それがこの人の素なんだろう。それにこの申し出はかなり嬉しい。文字を見る機会ができるから。
「お願いします。俺の名前は、黒斗・斎条と言うんだ。」
「はい、書けたわよ。それじゃあ、これからギルドの説明をするわね。」
そう言った。俺は
「その前に名前を教えてくれないか?」
俺がそう言うと、女性は
「あれっ。言っていなかったっけ?まぁいいや。私の名前は、カレン・A・ストラートと言うの。」
ストラートと言えばさっき俺と殺り合った女騎士の名前もストラートだよな。姉妹か?
俺が考え事をしていると、カレンが説明を始めた。