表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/44

第35話 忘れていたこと

長い時間投稿できなくて申し訳ありませんでした。これからはちょくちょく書いていこうかと思ってるので、もし読んでくださるのなら嬉しいです。

未だに皇帝と雷火達の話し合いは続いていた。ボクはある程度落ち着いてきたから今度は周りを見てみた。王の間といってもそんなに豪華ではなかった。無駄遣いをしていないのかとても質素なものだった。よくあるファンタジーではこういう場所は王が自分の権力を知らしめるために豪華なものにすると聞いていたのだけどベルセルク皇帝は違ったようだ。


「ねえ、ディーナ。何かとてつもなく嫌な感じがするんだ。だからここにいる皆を逃がしてあげて。」


嫌な感じが僕の中からどんどん膨れ上がっているのが感じることができた。その感覚はとても気持ち悪く立つことが難しくなるほどになっていった。ボクが突然倒れたことによって驚いた皇帝達は話を一度切り、ボクの心配して声をかけてくれる。

だけど遅かった。ボクが気付くのが遅れたせいで訪れてしまった。それは空間を歪めて出てきた。大きな鎌を抱えながら出てきてしまった。隣には美女と呼んでいいほどの女性が出てきた。腰には2本の剣を携えてゆっくりと出てきた。


「久々だな、ブラック。お前を殺すために地獄から出てきてやったよ。感謝しろよ?俺がお前を殺しに来たんだから。前に一度宣言したよな?俺は絶対にお前を殺すって。俺は約束は破らない。お前を殺すために力を手に入れてきたよ。」

「君も本当に壊れてるよね。まあ、私には関係ないかな?

さて、ブラックぅ。貴方が居なくなって寂しかったんだよ?最近の子は手応えがなくてね、欲求不満なの。ずっと私逝けてないの。いつもあと少しで逝けそうになるのに逝けないのよ。貴方だったら私逝けるのよ。私を逝かせて?

覚えてるでしょ?私が貴方をエスコートして初めてを迎えたの。その時の貴方の姿はとても可愛かったわ~。思わず逝きかけたですもの。」


鎌には血が付いたまま振り回したソイツはボクを指名してくる。あんまり振り回すとボクの顔や服に血が付くからやめて欲しいけど言っても無駄なので言わない。ソイツの隣にいる女には目を合わせない。会わせるとヤバイから。だって目が逝ってるんだもん。だけど残念な事だけどボクはコイツらを知っている。男の方は確かボクが牢屋にぶち込んだ筈なので。

それよりも穂香と紬の視線が痛い。とてつもなく痛い。目をこれでもかって程に見開いてボクを見てくる。しかも目に色が無いって言う恐ろしい状態で。これは絶対に勘違いされてる。この女の言ってることは確かに本当だろう。だけど表面上の言葉だけ聞いて判断してはいけない。何故ならこの女、


「私に貴方の血を見せてよぉ。貴方の血だったら私を満足させられるのよ。私に貴方の血をぶっかけてぇ?」


と言ったように変態なのだ。しかもただの変態ではない。血で興奮する変態さんなのです。ちょっと口調がおかしくなったけどそれほど変態なのである。


「ボクはブラックって名前じゃないですよ?お兄さん達勘違いしていませんか?ボクの名前はシルバーですし。」


とりあえず逃げてみた。でもダメだった。


「おいおい、ブラックよ。誤魔化そうとしても無駄だからな。お前が居なくなってから力を磨いてきたんだぜ?俺をあそこにぶち込んだ本人の魔力ぐらい覚えてるよ。この間お前の魔力を感じられたから、お前の魔力が使われた場所をじっくり調べたらお前が女になってると解ったんだよ。例え女の体になってようが俺には関係ねぇーな。俺はお前を殺せればいいんだからな。」


どうやらこの間のあれが原因だったみたい。あれはしょうがなかった。助けるために使っちゃったし。なるべく解らないようにディーナ達の魔力を媒介にしたんだけどね。それでもわかるってかなり磨いたみたいだな。


「…なんでここに来てるんだ、フェイ。あの時確かにボクは君と死闘を繰り広げてなんとか倒した筈なんだけど。それもかなりの傷を追わせたと思ったんだけど。…それすらもバネにして鍛えたのか。すごいよ、本当に。」


今の彼を相手にするには分が悪すぎる。仕方ないけど逃げるしかないかな?それともルナ達と協力して戦うしかないのか?ここは穂香達を逃がすために戦うしかないのか。

ボクはとりあえず逃がすために穂香達の前に立ち、フェイを行かせないようにする。

だから気付けなかった。あの変態女が楽しそうに嗤っていたことに。


ボクはフェイに向かって走り出した。フェイも鎌を構えて僕の事を迎え撃とうとしていた。流石に真っ正面から行くのは自殺行為だから待機・・させていた魔法を放つ。周りはいきなり出てきた魔法に驚いていてどういう事だって目で僕に訴えてくるけど無視です。これは企業秘密だしね。まぁ、ぶっちゃけると自分が創った空間に魔法を待機させるって簡単なモノなんだけどね。だけど魔法を維持させるのは大変だから時を止めて放置が普通だしボクもそうしてる。今のボクの魔力じゃあそんなに大それたモノは用意できないけど質よりも量を優先させてるから数には自信がある。それぞれを剣の形にして貫通力を高める。

とりあえず視覚を潰したから穂香達の所へと戻るか。今のアイツに立ち向かうのは本当にやばい感じがするから。


「穂香達はここから早く逃げてくれ。ボクが時間を稼ぐから。ちゃんと穂香達を逃がしたあとにボク達も逃げるから安心して逃げてくれ。……えっ?」


フェイの方を向きながら後ろにいる穂香達に逃げるように言ったのだけど返ってきたのは刺すような痛みだった。ボクが下を向くとボクのお腹から剣が飛び出していた。驚くボクはゆっくり後ろを向いた。そこにいたのは穂香だった。穂香も驚いた顔をして自らの手を見ていた。


「―――え?何これ。何で私が黒斗を刺してるの?何で?訳が分らないよっ!?」


「…忘れてたよ、本当に。それがお前の能力だったよな、ヌイっ!人を操る能力で穂香を操ったんだな。――ゴフッ。本当に嫌な予感が当たるなんて嫌だよな。もう目が見えなくなってきたよ。早いよ。あーあ、今回は死ぬのが早いよ。」


ボクの中からどんどん血が流れ出していってる。目が見えにくくなって体から力が抜けていってる。死が見えてくる。他の皆が動こうとしてるけど動けずにいたのが最後に見れた光景だった。

そしてボクは死んだ。

どんな感想も待っています。

誤字などありましたらご指摘ください。

それでは

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ