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第33話 再会と気絶

ボクは後ろを向けずにいた。向いてしまうといけないとボクの本能が告げている。

もちろんそんなものがなくても二人が掴んでいるボクの肩を砕こうと言わんばかりの腕力で肩から手を離さないで、ガッチリと固定してしまっていているから向くことも出来ない。

完全な硬直状態となってしまったボクと幼馴染みと妹。それを打破するためにボクから動くことにした。このままではずっとこの状態が続くのではないかと思ったからと久しぶりに幼馴染みと妹を見た安心からボクの頭から逃げると言うものがなくなっていたからだ。


「そろそろ肩が痛いから手を離してくれませんか、二人とも?」


ボクがそう二人に言うと


「……絶対にイヤっ。この手を離したらまたどこかに行っちゃう気がするから。だから離さない」


「……私も離したくはありません。穂香さんと同じで、兄さんがまた私たちを置いてどこかに行ってしまうかもしれないから」


と若干涙声で言われた。

ボクは確かに二人の前からいなくなるかもしれない。でも決して完全には居なくなるつもりはなかった。この二人はボクの中の大切な人たちなのだから。

ボクはそんなことを思いながら、今もボクの肩を離さないでいる二人に向かって


「……ごめん、二人とも」


謝った。二人のことを抱きしめながら謝った。少し雰囲気が壊れてしまうかもしれないが思った事があるんだ。

今までボクの身長を言ってこなかったがボクの身長は150cmぐらいしかない。それに対して穂香は170cmぐらいで、紬は166cm。何故紬は正確に言えるのかはアイツが見せてきたからとしか言いようがない。もちろん見たくて見た訳じゃない。いつの間にか椅子に拘束されていて色々聞かせてきたのだ。だから紬の情報は色々知っている。知りたくはなかったが。

少し話が長くなったがつまりボクが言いたいことはこれである。アイツらの体の一部であり、女性の体でしか表せない部分、つまり胸。それがちょうどボクの頭の位置にある。そのせいでたまに息が出来ない。死にそうになるけど幸せだ。


「苦しいよ、二人とも。そんなに凝縮しないでっ」


どんどんボクの中の酸素が外へと出ていった。二人は力を決して緩めようともせず、力を強めていった。どんどん絞まっていきついにボクは二人によって気を失ってしまった。否気絶させられた。


でもここで気を失うことは本当はしてはいけない事だと後に悟らされた。次に目を覚ましたときボクはその事を死ぬほど後悔する。涙を浮かべながら。

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