私の騎士様と僕の主
私の目の前にいる、私を救ってくれた騎士様。
死ぬのが怖くて、ここから逃げ出したくて、だけど逃げることができなかった泣いている私に、騎士様は、俺を頼れと言ってくれた。不安定な心だった私を抱き締めてくれた。
だから、私はあの方を好きになった。いや、違う。愛してると言っても良いくらいのものだ。あの方にすべてを捧げてたいと、心のそこから思っている。
私は愛しい方から離れると、そこには誰もいなかった。あったのは、魔法によって傷付けられた地面だけだった。
私が愛する人の方を見てみると、そこには見知らぬ私ぐらいの歳の女の子が居た。ぎゅーっと何かに胸を締め付けられたかのような痛みを感じた。そしてもやもやしたものが私の心から出てくるような感覚に陥った。
「…………これが、恋なのですね。もやもやは嫉妬ですか。」
絶対私の事を愛してもらいますよ、愛しい方。
と最後の言葉を飲み込んだ。
私は何時までも待っていますよ。愛しい方が私を愛してくれる、その時まで。
すべてに絶望したあの時から僕は諦めていた、何もかもを。
昔の僕が、今の僕は見たら驚くだろうね。今の僕の顔はきっと恋する乙女ようなの顔だと思うからだ。
抱き締められただけで、嬉しかった。それを離されただけで、とても切なかった。僕を見て笑ってくれただけで、嬉しかった、胸がドキドキした。
だから僕は主のすべてが欲しい。主の笑顔、主の声、主の視線、そして主の血。
そして主にも僕のすべてをもらって欲しい。
僕が狂っているのは解ってる。それでも、僕は主を愛しているんだ。
主が僕以外の雌を見たら、その雌を殺してしまうぐらいに。
だから、僕の事だけを、永遠にアイシテネ。