第19話 襲われる馬車とボク
俺は今、馬車の中にいる。
何故かと言うと、護衛の依頼を受けたからである。
「こらっ。女の子が俺とか言わない!!私か、ボクって言いなさい!」
そして、依頼主はオーディーナとルナだ。ちなみに、この依頼は俺が考えて、ディーナ達に実行して貰った。
ちなみにフィルナとウールは置いてきた。だって、なんか怖いんだもん。アイツらの目、獲物を見る目だったんだよ?女に襲われそうになる俺って…………………
「また、俺って言った。それとそれぐらい可愛かったんだからね!ディーナもそう思うでしょ?」
「ルナの言う通りだわ!あまりにも可愛すぎてついつい襲いそうになったわ。よく我慢したわ、私たち」
「ねぇ!!何で俺の考えていることに対してつっこんでるの!?俺、何も言ってないよね!?」
「だって黒斗が考えていることなんて分かるに決まってるじゃない。
それと、さっきも言ったけど女の子が俺とか言っちゃダメよ。わ・た・し・かボ・ク・って言わないと。そうじゃないとまたお仕置きしちゃうわよ?」
そう言ってオーディーナは、お、危ない。ボクに言ってくる。ちなみに何でボクを選んだかと言うと、そっちの方が男に近いと思ったからだ。あ~あ、早く男に戻りたい。
あっ、ちなみに、お仕置きとはくすぐりの事だ。あれは本当に危ない。あの二人のくすぐりで気を失った。それもお漏らしもしながら。あれは本当に恥ずかしかった//
と言うわけでくすぐりを食らいたくないので、私は
「わ、分かった!!これからはボクって言うから、お仕置きはしないでっ!!」
ボクが涙目で言うと、二人は
「もしまた俺って言ったら、その時は一気にヤるからね♪」
「分かりました……………」
それを言った顔はとても素晴らしい笑顔だった。目は獲物を見る目だったが。
「………………ボクって言う姿とっても可愛い!!」
「………………ディーナもそう思うでしょ?本当に可愛すぎよ、シルバーちゃん!!」
何かに見られているような気がする。気のせいだろ。
「それにしても、景色がずーーっと同じだとつまらない。
何か面白いことないかな?」
とボクが言うと、二人が苦笑いしながら
「流石にそれは無いんじゃないかな?」
と言った。
まぁ、確かに面白いことが石ころのように転がっている訳じゃないし。
そう思いながらも、サーチの魔法を使う。
みんなは、どうしてボクが魔法を使える?と思っている事だろう。
あのときの説明には少し抜けているモノがあった。それはボクの回復魔力は日によって違うと言うことだ。
今日回復した魔力の量は昨日に比べて多い。だから今ボクは魔法が使える。
まぁ、上級魔法は使えないけどな。
するとサーチの魔法にあるものが引っ掛かった。
それは、盗賊に襲われている馬車。
場所的にボクたちが居るところから遠くなかったので、ボクは三人に
「人助けに行こう!!」
と言った。
二人の美女と、一人の美少女が、口を開いて唖然とした姿って笑える。
ボクはそんなことを心のなかで思った。