第15話 魔王との戦い
俺は今、魔王と名乗った男と対峙している。お互い何も喋らずに睨め合っていた。
「お前がこの前召喚された、勇者だな?」
と突然魔王がその均衡を破り、俺に問い掛けてきた。
面倒なことに巻き込まれたくないので俺は
「違いますよ。俺みたいな平凡な奴が勇者様な訳無いですよ?」
「そうか、お前が勇者なんだな」
おかしいな?俺否定したよな?コイツ頭おかしいんじゃないか?
「すいませーん!俺は勇者じゃありませんて。本当ですから!!」
「お前が勇者だと知ってるから、無駄だ!!」
えっ!!何でそんな情報持ってるの、コイツ!?
もう良いよ!!
「そうだよ!!俺は勇者になる予定だった元勇者だよ!!
で、何しに来たんだよ?」
俺がキレてそう言うと魔王は
「決まってるだろ?………………………………殺すためだよ!!」
そう言って魔王は俺に攻撃をしてきた。
「全てを貫け!!ダークランス!!」
魔王の近くに闇の槍が出来上がった。それを黒斗に向かって投げた。
黒斗はそれに対して
「聖なる盾、それは護るための力!!ホーリーシールド!!」
光の盾を出して闇の槍から護った。
それを確認した魔王はさらに魔法を使った。
「地獄の更に下の世界。それは氷によって支配される氷の世界。ニブルヘイム!!」
その魔法が発動した瞬間、世界が凍った。
世界とは言い過ぎだけど、本当に黒斗の周りが凍り始めた。
黒斗は焦った様子もなく、魔法を発動させた。
「燃やし尽くす絶対なる炎。プロミネンス」
その瞬間世界を侵食していた、ニブルヘイムは黒斗が出したプロミネンスによって止められた。
しかも黒斗の魔法が魔王に攻撃し始めた。
それを見た魔王は
「嬉しいぞ、勇者!!私とやり合える者と戦えることが!!
しかし、今回の戦いで私も怪我をしてしまったから、退こう。
また、会おう。勇者!!」
そう言って魔王は去っていった。
俺は魔王が去ったあとに気を失った。
気絶する瞬間に後ろから何か声が聞こえたような気がした。