表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界最強の母親が50人。しかも僕は、その全員の遺伝子持ち。  作者: 狐白


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/16

第15話

  決定した。

  完全に、決定した。

  間違いない……。


  僕は――瞑想ができない、落ちこぼれだ!


  さっきからずっと目を閉じて、必死に集中して、魔力の流れを探していた。


  授業が終わるまで、ずっとだ。


  ――でも、体の中に魔力は一切、入ってこなかった!!


  答えはひとつ。


  終わった。


  僕の人生……完全に終わった!!


  もしクラスのみんなに、僕が瞑想できないと知られたら……どう思われるんだろう。


  ――マグル!

  ――無能!

  ――足手まとい!

  ――どけよ、どうせ冒険者にもなれないくせに。一人前の冒険者の邪魔をするな!


  そんな未来が、脳裏でチカチカと点滅する。


  ここは魔法学院だぞ!?


  瞑想ができなければ、即退学だってありえるんじゃないか……?


  でも、僕は授業の時間が本当に好きなんだ。


  どうしようどうしようどうしよう……。


「シャアくん……どうしたの?」


  エリンの心配そうな視線が、逆に僕を追い詰める。


  だめだ。悟られちゃいけない。


  もしエリンに、僕が瞑想で魔力を得られないって知られたら……また距離を置かれるかもしれない。


  だって、誰が好き好んで落ちこぼれと関わるんだよ。


「な、なんでもないよ! 魔力……魔力すごいなあ! あはは……あははは……」


  視線を逸らし、エリンと目を合わせない。


「シャアくん、本当に? 困ってること、ない?」


「ない! 全然ない! 問題なし!」


  エリンは顎に指を当て、目を細めて僕を見る。


  ……この人、狐仙ママより狐っぽくないか?!


  そのとき、エイヴ先生が僕の前に立った。


「うーん……さっきのシャアくんの答えも、間違いではありませんよ」


「え?」


「食べ物には微弱な魔力が含まれていますし、眠っている間も星霊と緩やかに繋がっています。ですから……食事や睡眠でも、確かに少しは魔力が増えます」


  エイヴ先生の言葉に、僕は希望を込めて目を見開いた。


  食べることと寝ることでも増えるってことは……つまり、瞑想しなくても――


「……ですが、その増加量はあまりにも微々たるものです。瞑想で得られる量の、一万分の一にも届きません。ですからシャアくん、瞑想はちゃんと頑張りましょうね?」


  ドン、と。


  雷に撃たれたみたいに、僕はその場で固まった。


  世界の音が、遠くへ引いていく。


  一万分の一……一万分の一……。


  その数字だけが、頭の中で何度も爆ぜる。


  食べて寝て得られる魔力が、瞑想の一万分の一。


  ってことは……僕の魔力量は、普通の人の一万分の一ってことじゃないか!?


  やっぱり終わってる。


  だめだ。瞑想を覚えなきゃ!


  未来がかかってるんだ。こうなったらママに助けを求めるしかない!


  魔法関連なら、まずは魔法使いママだ。


  机の中にこっそり通信ルーンを描き、魔法使いママの位置を探る。


  少しだけ躊躇して、言葉を選ぶ。


  ……だめだ。才能がないなんて知られたくない。パパとママたちを失望させたくない。


  孤児院になんて、行きたくない。


  だから、絶対に悟られないように聞くんだ。


『……ママ、昔はどうやって魔力を得たの?』


『ん? 魔力? あんなもの、生まれたときからフルじゃなかった?』


『……失礼しました』


  魔法使いママは参考にならなかった。


  じゃあ勇者ママだ。魔剣士だし、きっと瞑想で鍛えたはず。


『魔力? ええと……あっ! 瀕死の老剣聖に会ってね。体内の魔力を無駄にしたくないって、魔力と剣術を石に封じて私にくれたの』


『ママ、今年の誕生日プレゼントは瀕死の老剣聖が欲しいです』


『そんな都合よく瀕死の剣聖がいるわけないでしょ! ああいう存在は滅多に死なないのよ。数百年に一度レベルよ!』


『……』


  くそっ!


  じゃあ……治療師ママは?


『治療師の魔力は光明神様から与えられるのよ。ああ、つまりあなたの光明神ママね。祈れば使えるわ』


  なら、光明神ママは?


『神の魔力値は生まれたときから∞だから、由来は分からないわね……』


  また参考にならない。


  ああもう……僕みたいに、生まれたときはただの普通の子どもだったママはいないのかよ!


  力は努力で掴むから価値があるんだろ! 弱者が成り上がる物語こそ王道じゃないか!


  この人たち、完全にチートじゃないか!


  ……そうだ! パパ!


  パパは普通の人間だよな!?


  ……って、なんで出ないんだよ!


  どうして通信が繋がらない!?


『巨竜ママ、パパはどこ? なんで連絡つかないの?』


『パパ? 異世界の実家に帰省中よ。“日本”とかいう場所らしいわ。電波が弱いんですって』


『……』


  僕の家に、まともな人間はいないのか!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ