表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界最強の母親が50人。しかも僕は、その全員の遺伝子持ち。  作者: 狐白


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/16

第14話

 そういえば、授業を楽しいと思う人って、あんまりいないんじゃないかな?


 でも僕にとっては、間違いなく一番安心できる時間のひとつだ。


 パパが言っていた。


 封印できるのは記憶だけで、魂の疲労までは完全に封じられないって。


 前世で何があったのかは知らないけど――


 どういうわけか、小学生の教室にいると落ち着く。


 ……とにかく。


 僕は授業が好きだ。


 算術も、文化史も、詠唱理論も、魔力基礎も、魔薬学も、体育も。


「シャアくん、この問題に答えてください」


「……魔力は空気中に漂う特殊なエネルギーで、誰の体内にも一定量を蓄えることができます。


 初級魔法は自分の魔力だけで発動できますが、高位魔法は体内の魔力を世界の魔力と共鳴させ、世界側の魔力を借りて完成させます」


「素晴らしい回答です!」


 エイヴ先生の満足そうな視線。


 胸の奥がじんわり熱くなる。


「では、もうひとつだけ追加問題です。体内魔力の上限を高めるには、どうすればいいでしょう?」


「ごはんを食べることです」


 自信満々に答えた。


「ぷっ――あはははは!」


 ……ん?


 なんで笑うの?


 違うの?


 だって僕、食べてるだけで増えたよ?


 ……あ、でも。


 食べるだけじゃないか。


 僕は先生を見上げて、少しだけ補足する。


「あと……寝ること?」


「ははははは!」


 さっきより笑いが大きい。


 え?


 もしかして、他にも方法あるの?


「うん、シャアくんの答えも間違いではありませんよ。食事と睡眠は精神力を守る大切な要素ですからね。


 きちんと食べて、きちんと眠ってこそ、瞑想による魔力強化が可能になるのです」


 教室が静まる。


 ……瞑想?


 なにそれ?


 僕は口を開けたまま固まった。


「はい、座っていいですよ〜」


 席に戻り、肘でエリンをつつく。


「……瞑想って何?」


「え? シャアくん、瞑想したことないの?」


「うん……」


 聞いたことはある。


 でも、習う前に転校になった。


「瞑想は魔力を増やす唯一の方法だよ。魔法使いも、魔剣士も、どんな職業でも、瞑想で魔力を高めるの」


 まずい。


 これは重要科目を落としている気がする。


「では本日の授業では、瞑想の基礎を復習します。袖をまくり、目を閉じて、腕の皮膚に意識を集中してください」


 僕は慌てて目を閉じた。


 集中。


 ……うん。


 風が流れてる。


 ひんやりしてる。


 次は?


「はい、今ごろ魔力が流れ込む感覚を感じているはずです。その魔力を丁寧に導き、体に吸収させましょう」


 ……は?


 流れ込む感覚?


 まだ“流れ込ませる方法”教わってないよね?


「ん……あったかい……魔力……」


 隣でエリンがうっとり呟く。


 え、どこがあったかいの?


 僕はこっそり目を開けた。


 クラス全員、満足そうな顔。


 ……これ、仕込みじゃないよね?


 魔力どこ?


「魔力は水のようなものです。密度の高い場所から低い場所へ自然に流れます。高密度領域で体を開けば、魔力は自然と満ちていき、周囲と同じ密度になるまで蓄積されます」


「???」


 やばい。


 環境中の魔力が、まったく感じられない。


 もしかして。


 僕って――


 ……まさかの。


 才能なし?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ