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借金地獄で過労死した元闇カジノ狂い、異世界で確率を支配する最強になる  作者: RIN
幕明け

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9/30

第9話

戦闘が終わり、

森は嘘みたいに静かだった。


紅晶の箱を確認する。


【損傷:なし】

【依頼継続可能:100%】


……ようやく、落ち着ける。


その時、

視界に“確定した文字”が浮かび上がった。


【固有スキル進化完了】

【新能力:《因果補正》】

【説明:確率が不明・攪乱されている状況下においても、

結果へ至る因果の流れを最適化する】


俺は、思わず息を吐いた。


「……確率が見えなくても、

 勝ち筋そのものを掴む、ってことか」


闇カジノで言えば、

配られたカードじゃなく、

ディーラーと客の“癖”を支配する感覚だ。


強い。

だが――


【注意】

【因果補正は精神負荷を伴う】

【連続使用時、判断力低下の可能性あり】


……なるほど。


万能じゃない。

だからこそ、使いどころが重要だ。


「ねえ」


声をかけてきたのは、リィナだった。


彼女は、紅晶の箱から少し離れた場所で、

じっと俺を見ている。


「さっきの力……

 新しいものでしょ」


【この問いに誤魔化して答えた場合の信頼低下率:21%】

【正直に話した場合の信頼上昇率:64%】


――賭けるか。


「そうだな。

 確率が通じなくなったから、

 別の“見方”を手に入れた」


彼女は、少しだけ目を見開いた。


「やっぱり……

 あなた、ただの冒険者じゃない」


沈黙。


風が、木々を揺らす。


そして、

今度は彼女が口を開いた。


「……私も、

 普通じゃない」


【重要情報開示の兆候:高】


リィナはフードを外す。


淡い銀髪が、陽に照らされる。

赤い瞳が、まっすぐ俺を射抜いた。


「私は――

 紅晶を“動かせる側”の人間」


……なるほど。


【彼女が嘘をついている確率:0.2%】


ほぼ、真実。


「だから、この依頼は

 最初から失敗する運命だった」


彼女は、そう言って続けた。


「誰かが、

 確率を乱す“保険”を用意していた」


――確率攪乱。


全部、繋がった。


「それでも、

 あなたは進んだ」


リィナは、小さく笑った。


「数字が消えても、

 引かなかった」


その言葉に、

俺は少しだけ肩をすくめる。


「闇カジノじゃ、

 引いた瞬間に終わる」


彼女は、一瞬だけ驚いた顔をして、

それから――

静かに笑った。


「……なら、

 あなたは信用できる」


【リィナからの信頼度:安定】

【今後、重要情報が共有される確率:71%】


悪くない。


俺たちは、並んで歩き出す。


紅晶を守るため。

だがそれ以上に――

この世界の裏側に踏み込むために。


因果を補正する力と、

因果そのものに関わる少女。


この出会いは、

偶然じゃない。


――そう、確信していた。


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