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借金地獄で過労死した元闇カジノ狂い、異世界で確率を支配する最強になる  作者: RIN
幕明け

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3/30

第3話

街の中心にある建物は、嫌でも目に入った。


石造りの大きな建物。

剣と盾の紋章。

出入りするのは、鎧姿の連中ばかり。


――冒険者ギルド。


現実世界で言えば、

仕事紹介所であり、

同時に危険な連中が集まる場所。


嫌いじゃない。


むしろ――

闇カジノと似た匂いがする。


【ギルドに入って職を得られる確率:94%】

【初日に金を稼げる確率:88%】


数字は上々だ。


俺は迷わず、扉を押した。


中は騒がしかった。

酒の匂い、怒号、笑い声。

壁には依頼書がずらりと貼られている。


受付に立つ女性が、俺を見て眉をひそめた。


「登録希望?」


【登録が問題なく進む確率:92%】


「そうだ。金が必要でな」


正直に言った。

この世界では、変に取り繕うより

シンプルな方が成功率が高い。


案の定、彼女はため息をつきながらも手続きを始めた。


「身分証は?」


【“持っていない”と答えて通る確率:85%】


「ない」


「……最近多いのよ、そういう人」


文句を言いつつも、

登録は進んだ。


――成功。


闇カジノでも同じだった。

最初の一勝目が、一番大事。


「じゃあ、仮登録ね。

 簡単な依頼から始めてもらうわ」


依頼板を指差される。


薬草採取、

荷物運び、

討伐――


俺の視界に、次々と数字が浮かぶ。


【薬草採取:成功率99%/報酬低】

【荷物運び:成功率95%/時間がかかる】

【スライム討伐:成功率97%/報酬そこそこ】


……スライム。


異世界モノでおなじみの雑魚。


だが、俺は油断しない。


【致死率:0.2%】

【怪我を負う確率:3%】


許容範囲。


「これだ」


俺はスライム討伐の依頼書を剥がした。


周囲の冒険者たちが、ちらりとこちらを見る。


「おい、新人。

 それ、一人で行く仕事じゃねえぞ」


忠告か、嘲笑か。


だが、俺の中ではもう終わっている。


【この選択を後悔しない確率:100%】


――勝ち確だ。


ギルドを出た瞬間、

胸の奥がじんわりと熱くなった。


金を稼ぐ。

生き延びる。

次に繋げる。


借金地獄で学んだのは、

小さく勝ち続けることだ。


異世界でも、それは変わらない。


「……いいな、この世界」


確率が見えるだけで、

人生の難易度がここまで下がるとは。


闇カジノで生き残った俺が、

今度は合法的に稼ぐ。


いや――


「まずは、元手作りだ」


その先にあるのは、

もう“生きるための金”じゃない。


――支配するための金だ。


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