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借金地獄で過労死した元闇カジノ狂い、異世界で確率を支配する最強になる  作者: RIN
幕間

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23/30

第23話

意識が戻った瞬間、

最初に感じたのは――

自分の血の匂いだった。


口の中が鉄臭い。

喉の奥が焼ける。


「……生きてるか?」


カイルの声が、

やけに遠い。


【生命反応:維持】

【戦闘不能:確定】


……だが。


何かが、

決定的に欠けている。


俺は、

視界に意識を集中させた。


――出ない。


【成功率】

【死亡率】

【結末】


数字が、一切見えない。


「……あ?」


嫌な汗が、

背中を流れる。


因果補正。

あれは、

“切り札”だった。


数字が壊れた世界で、

結果だけを掴むための――

最後の保険。


だが今は。


【因果補正:使用不可】

【理由:代償支払い完了】


「……支払い?」


声が、

震えた。


リゼが、

ゆっくり近づいてくる。


彼女の顔は、

いつもの冷静さを保っている。


だが――

目が、少し赤い。


「代償は、

 能力じゃない」


……何?


「“認識”よ」


リゼは、

淡々と言った。


「あなたは今、

 未来を選べない」


理解に、

数秒かかった。


「……まさか」


「ええ」


彼女は、

はっきり言った。


「あなたはもう、

 “因果の分岐”を見られない」


【因果視認:永久喪失】


……クソが。


闇カジノで言えば、

二度とカードが見えないってことだ。


「じゃあ……

 俺は、ただの――」


「いいえ」


リゼは、

一歩踏み込む。


「あなたはまだ、

 賭け方を知っている」


「でも、

 もう“保証”はない」


つまり。


これからは、

 本当に命懸けの賭けになる。


その時、

喉の奥が、

ぐっと熱くなった。


吐いた。


床に落ちたのは、

血と、黒い塊。


内臓の一部だ。


【内部損傷:慢性化】

【寿命影響:大】


「……副作用もある」


リゼは、

視線を逸らさずに言った。


「因果補正は、

 世界より先に、

 あなた自身を壊す」


……安いな。


世界を動かす力の代償が、

自分一人分の人生か。


俺は、

笑った。


「……上等だ」


「後悔は?」


「あるわけない」


だが――

その瞬間。


【警告:感情欠落進行】


胸の奥が、

妙に静かだった。


怒りも、

恐怖も、

薄れていく。


……ああ。


代償は、

まだ終わってない。

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