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借金地獄で過労死した元闇カジノ狂い、異世界で確率を支配する最強になる  作者: RIN
幕間

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14/30

第14話

翌朝。


宿の食堂は、

妙に平和だった。


パンの焼ける匂い。

笑い声。

いつも通りの朝。


【当面の危険発生確率:低】


「……平和すぎるな」


俺がそう言うと、

カイルが肩をすくめる。


「勝った直後は、

 だいたいこんなもんだ」


闇カジノでも同じ。


嵐の前ほど、

場は静かになる。


「次、どうする?」


カイルが聞いてくる。


【選択肢:複数】

【最適解:未確定】


「情報集めだな。

 紅晶の件、

 これで終わる気がしない」


リィナは、

何も言わずに頷いた。


……少し、

様子が違う。


【同行者状態:警戒】

【理由:不明】


聞かない。


今は、

その賭けじゃない。


昼前、

街に出た時だった。


【接触イベント:強制】


視界の端に、

違和感。


人混みの中、

明らかに“馴染んでいない”男。


黒衣。

年齢不詳。

表情が、無機質すぎる。


【敵意:なし】

【脅威度:高】

【正体:不明】


……嫌なタイプだ。


男は、

俺たちを一瞥し、

そのまま通り過ぎる。


それだけ。


だが――

背中を見送った瞬間、

背筋が冷えた。


【観測された可能性:極めて高】


カイルも、

同じ感覚だったらしい。


「……なあ」


小声で言う。


「今の、

 情報屋でも冒険者でもない」


「分かってる」


リィナは、

拳を握っていた。


「……来たのね」


それだけ。


説明はない。

だが、

確信だけがあった。


男の姿は、

人混みに溶けて消える。


だが、

視線の“痕”だけが残っている。


【次の接触までの猶予:不明】

【生存率:依然高】


――まだ、

殺す段階じゃない。


そう判断された。


闇カジノで、

何度も味わった感覚だ。


「賭け金を、

 釣り上げるつもりだな」


俺が言うと、

カイルが笑った。


「悪い趣味だ」


リィナは、

一歩前に出る。


「……でも」


彼女は、

俺を見る。


「もう、

 引き返せないわ」


【この先に進んだ場合の未来分岐:多数】


俺は、

小さく息を吐いた。


「最初から、

 そのつもりだ」


配当は、

まだ出ていない。


だが――

次の卓は、

 間違いなく大勝負になる。


第二章は、

静かに――

確実に、

牙を剥き始めていた。


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