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借金地獄で過労死した元闇カジノ狂い、異世界で確率を支配する最強になる  作者: RIN
幕明け

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10/30

第10話

街が見えた瞬間、

リィナが小さく息を吐いた。


「……ここまで来れば、大丈夫」


【依頼完遂確率:99%】


ほぼ確定。


だが、

闇カジノで学んだことが一つある。


“勝ち確”の時ほど、最後まで気を抜くな。


「もう少し警戒しよう」


俺がそう言うと、

彼女は頷いた。


街門をくぐる直前――

視界の端に、違和感。


【接触イベント発生確率:高】


来る。


「止まれ」


俺が足を止めた瞬間、

横から男が現れた。


黒髪、細身。

軽装だが、動きに無駄がない。


「へえ……

 紅晶を持ってるのはお前らか」


【敵意:中】

【戦闘発展確率:41%】


……微妙。


「襲うつもりか?」


俺が問うと、

男は肩をすくめた。


「違う。

 “確認”だ」


彼の視線が、

俺とリィナを行き来する。


「確率攪乱持ちを倒したって噂、

 本当か?」


【この男が情報屋である確率:86%】

【味方化できる確率:72%】


――賭ける価値、あり。


「事実だ」


短く答える。


男は一瞬、目を細め、

それから笑った。


「やっぱりな。

 数字を読めない奴が、

 そんな真似できるわけない」


……?


「お前、

 “流れ”を見てるだろ」


【この男が同系統の能力を持つ確率:63%】


面白い。


「名前は?」


「カイル」


男は、名乗った。


「元・賭博師。

 今は情報と運試しで食ってる」


……闇カジノの匂い。


「一緒に来い」


俺は、即決した。


【この判断が正解である確率:78%】


カイルは驚いた顔をしたが、

すぐに苦笑する。


「即決か。

 嫌いじゃない」


ギルドに戻ると、

空気は一変した。


紅晶の箱が提示された瞬間、

職員が騒ぎ始める。


「無傷……?

 本当に?」


【依頼完遂:正式認定】

【報酬:金貨20枚】

【評価上昇:大】


ギルド長まで出てきた。


「今回の件、

 君の働きは特筆に値する」


周囲の冒険者たちの視線が、

明らかに変わる。


尊敬、警戒、嫉妬。


――慣れている。


金貨の重みを確かめながら、

俺は思う。


金も、評価も、仲間も。

すべてが揃い始めている。


外に出ると、

カイルが笑いながら言った。


「なあ、俺も賭けに乗っていいか?」


「内容は?」


「お前についていく賭けだ」


【この男が裏切らない確率:69%】


……上出来。


「いいだろ」


リィナが、少し不思議そうに俺を見る。


「判断、早いわね」


「数字がそう言ってる」


それは半分、本当で、

半分は――

直感だ。


こうして、

俺たちのパーティは三人になった。


確率を読む俺。

因果に関わる少女。

流れを嗅ぎ取る男。


この組み合わせは、

ただの偶然じゃない。


――次の賭けは、

もっと大きくなる。


そう、

確信していた。


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