第15話 祝言と新たな力
※戦国時代の祝言の手順などを調べてみると資料によって若干の違いがあり、どれが正しいのか判断出来ませんでした。なので、自分的に一番しっくり来るモノにしましたので、ご了承ください。
※婚礼衣装についても戦国時代の武家の女性の婚礼衣装なんて、よく分かりません。これも資料によって白無垢だとか白無垢じゃないとか正反対のことが書かれていたり、私は男なので女性の着物の種類も何もよく分かりません。なので、それらしい感じにしてます。間違っている可能性大ですが、ご了承ください。
◎伊勢国・楠城 楠木正顕
1559年 3月下旬
漸くこの時が来た。本日、市姫が楠湊経由で楠城入りし、酉の刻より祝言の儀を執り行う。城下の湊町ではどこで話を聞いたのか、俺の婚姻を祝う為に祭りのような状態になっているらしい。
誠に嬉しい限りである。
織田家からは見届け人と数人の重臣に混じって何故か義兄上となる信長本人が付き添いで来るらしく、本当に意味が分からない。…とは言え毎度、義兄上にばかり此方に来させる訳にはいかないので、いつかお礼参りの必要もあるだろう。
それよりも俺にとっては、文などのやり取りを続けてきた市とやっと会えると云う事に、嬉しさが込み上げてくる。
(ヤッ、ヤバイな…緊張で心拍数が最高潮だ。前世も含め彼女さえいなかった俺が、戦国一の美女と…いや…まだ12歳だから美少女か?…兎に角、色々すっ飛ばして結婚とか…戦に出るより緊張するぞ…)
落ち着かないので書院の中をウロウロしていると、八重が声を掛けてきた。織田家一行が楠湊に到着した事の知らせが入ったので、そろそろ俺の着付けの準備も始めるらしい。
そこからの八重達女房衆の手際は凄じく、あっという間に素っ裸にされ、婚礼用の紺色の直垂を身に付けさせられる。この身分になると自分で着替えるという事は稀で、殆どが女房衆の手で着替えさせられるのだが、いまだに手綱(褌)姿を女房衆に見られるのは恥ずかしいと云う思いがある。
しばらくの後、全ての準備が整うと祝言の儀を行う部屋へと案内されると、高砂席の向かって右の位置へと案内された。部屋には自分以外に待上臈と呼ばれる女性の介添人の三名と、新婦側の見届け人として若い男性が座っており、現代の結婚式と違って新郎と新婦の席は向かい合せとなっていた。
相変わらず落ち着かない俺は目を閉じて深呼吸を繰り返す。暫くすると緊張も和らぎ落ち着きを取り戻して来た。その直後、花嫁の入来を知らせる声が静かに響く。そして待上臈の一人に付き添われた市が入って来た。
現れた市は紅梅色の小袖に白を基調にした小袖を重ね、白無垢で桜模様の打掛を羽織っていた。そして口元には紅を刺し、おは黒も眉墨も白粉もしていなかった。これは俺の美意識に合わせて調整してもらった影響であり、大切な文化が消えてしまった証拠でもある。だが、はっきり言って全く後悔は無い!お歯黒も眉墨も俺の美意識には合わないし、何より白粉は鉛や水銀を使っていて危険なので、白粉の存在その物をこの世界から排除してもらった。
とまあ、それはさて置き、可憐な色香を放つ市の姿を見た俺は、落ち着き出した鼓動が再び高鳴り、平静を装う事に苦労していた。
市が席につくと時を置かずに式三献(三三九度の原型)が行われ、四半刻ほどで無事祝言の儀は終了した。現代の結婚式と違ってこの時代の結婚式はこれで終わりだ。
本来ならばこの後、色直しを経ての俺の両親との顔合わせとなり、続けて祝宴との流れになっていたのだが、何故か新郎新婦の紹介を経ずに早くから始まった祝宴が予想以上に盛り上がり、それに付き合った父上が思った以上に出来上がってしまったらしい。
何をやってるんだと言いたくはあるが、色直しと顔合わせは明日へ延期となった。そう言った事情もあって、俺と市は早々に床入りの儀の支度へと向かう事となった。
当初俺は市は12歳なので、まだこう言った性行為と言った事は無理だろうと思っていたのだが、八重経由の情報で初潮も裳着(元服の儀の女子版)も既に済ませているので問題ないとの事だった。それでも通常であれば市の体への負担を考えれば、この年齢での性行為やそれに伴う妊娠、況してや出産はこの時代であれば命の危険があり、特に自重すべきなのだが、俺にスキルである【オルド】の効果で市は病気にならないし、妊娠、出産での身体への負担は限界まで軽減されるので絶対に死ぬことはない。
そして俺自身も精通を迎えており、更にこの時代では自家発電のネタもない。市は年齢の割に背も高く150センチ近くあるだろう。この時点でこの時代の一般的な成人女性より身長が高い。
義兄上もイケメンで170センチ以上の身長がありそうだったし、織田家の家系は美形・高身長の家系なんだろう。
とまあ何を言いたいかと言うと、色々と育ちの良い市を据え膳された日には、この若い身体では耐えられない…我慢出来ない自信があると言う事だ。
それはさておき、市とは祝言の儀の後いったん別れ、俺は色々と準備が万端整った寝所で、着ていた着物と褌を脱いで白絹の夜着に着替えて市を待っていた。暫くすると俺と同じく白絹の夜着に着替えた市が寝所を訪れた。
そして俺と市は寝床の上で向かい合い、市は頬を染めて俺を見つめた。
「正顕様…やっとお会いする事が出来ました。初めて正顕様から文を頂いた日から、市はこの日を心待ちにしておりました。あっあの、上手く出来るか分かりませぬが、いっ、市に…正顕様の御子をお授けください。」
そうして頭を下げた市に俺の理性は脆くも崩れ去った。俺は市の夜着の帯に手をかけ、多少乱暴に取り去った。肌けた夜着の隙間から12歳とは思えない胸の膨らみと、年相応の無毛の股座が姿を現した。
この時点で俺の息子はドクドクと脈打ち制御不能状態、夜着の間から現れた凶悪なモノが俺が動くたびに上下に揺れ、腹全体をバシバシと叩いている。そしてそこからの記憶は俺にはない。気がついたら二人で裸で抱き合って眠っており…うん、寝所は彼方此方ドロドロで酷い状態だった。
次の日の朝、様子を見に来た女房衆には頬を染めながら、少し自重するよう求められ、そんな俺の側で市は恥ずかしさの余り頬を染めて俯いていた。因みに後日、父上からは絶倫ぶりを褒められた…ったく、プライバシーも何もあったもんじゃないな。
とまあ、初日から色々あったが、2日目は市の色直しの後に顔合わせ、市と俺の両親との初対面が待っている。そして夕刻から新郎側の親族衆へ俺たち夫婦の披露が行われ、終わり次第、新婦側の代表団を加え酒宴へと移っていく。所謂、現代で言う披露宴と同様の催し物だ。普段酒宴に女性は参加しないが、今回は特別だ。ただし、市は前半部分の夫婦の披露が終わり次第お役御免となる。
色直しと顔合わせは午の刻から支度をする予定なのでそれまで少し時間がある。その間に市に俺の秘密を話して置かなくてはならない。特にスキル【オルド】については直接市にも関係する為、なおざりには出来ない。風呂に入り昨日の汗と色々なものを落としてサッパリした俺は、市の準備が出来るのを待って俺の書斎へと呼んだ。
昨日の今日であった為、気恥ずかしい感じがしたが、昨夜の床入りで市を乱暴に扱ってしまった事を詫びた。市は頬を染めて俯きながら首を左右に振って懸命に否定しているので、この話はここ迄にして、本題に入る事にした。
市にも父上達と同じように、俺がお伊勢様の神子である事、天命を全うする必要がある事、天命を全うする為の力である【神の知識】と【権能】を有している事を話して聞かせた。
「今から見せる物は父上や母上にも見せた事のない物だ。」
そう言ってステータス、特殊施設リスト、オルド名簿、密林市場の各種ウィンドウを、市に見えるように空中に表示して見せた。
〓〓〓〓〓ステータス〓〓〓〓〓
氏名:楠木正顕
Lv:418(2,087)
権能
[神子:豊穣の大地・施設設置・オルド・密林市場]
スキル
[武神][全言語マスター][インベントリ][状態異常無効][特殊封印80%]
称号
神の因子保有者
その他情報
基準石高:35万石
GDP[石高換算]:95万石
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〓〓〓〓〓特殊施設リスト〓〓〓〓〓
⚪︎湧水(源泉):50P[無限に名水が湧き出る]
⚪︎温泉(源泉):100P[外傷の治癒に効果がある温泉]
⚪︎全治の湯(源泉):10,000P[全異常(生来の異常も含む)の治癒に効果がある温泉]
⚪︎桃源の湯:50,000P[温泉施設、消耗品を含め様々な設備を完備、全治の効果、美容効果]
⚪︎石灰石鉱山:500P[石灰石を産出する。100kg/1日]
⚪︎純鉛鉱山:500P[純鉛を産出する。100kg/1日]
⚪︎硝石鉱山:5,000P[硝石を産出する。100kg/1日]
⚪︎純金鉱山:50,000P[純金を産出する。100kg/1日]
⚪︎技術研究所(近世):30,000P[施設内での研究効率が50%増加する。また新たな閃きも起きる事がある。]
⚪︎港(近世:小):50,000P[18世紀前半の港、一部手動設備が機械化されている]
⚪︎造船場(近世:小):50,000P[18世紀前半の造船場、一部手動設備が機械化されている]
⚪︎城(日本、大坂城):50,000[大坂城を基本に改良し、コンクリートを使用して作った城]
⚪︎図面データー管理室:100,000P[現時代で再現可能な設備や装備の図面データーをPC管理している部屋、紙面に印刷可能、本人以外入室不可]
⚪︎反射炉(近世):250,000P[近世の溶鉱炉、金属を溶かしたり、耐火煉瓦などを作れる]
PP:45,400P[配布PP:350P/10日]
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〓〓〓〓〓オルド名簿〓〓〓〓〓
正室:市
側室:
OP:2,000P[1P/10円][1,000×人数/1日]
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〓〓〓〓〓密林市場・取引画面〓〓〓〓〓
調味料
酒類
化粧品、洗剤類
衣類[高級和装、繊維素材]
医薬品[2類、3類]
高級寝具[敷布、掛布、枕、毛布]
植物[穀物種子、野菜種子、苗木全般]
※西暦2000年代の製品を中心に、樽や木箱、陶器、磁器など時代に則した包装にて、インベントリ内へ即配致します。
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一瞬驚いた表情を浮かべた市だったが、好奇心が優ったのか表示されたウィンドウに触れようとしてすり抜けてみたり、文字を読んで意味を聞いてみたりと好奇心を満たそうとしていた。
俺自身も封印が緩んできている事に気が付いたが、気にしても仕方が無いので後回しにする事にした。
「この中で特に市に関係するのが、オルドと言う画面…これだ。ここの正室の所に市の名前があると思う。ここには俺と夫婦となった時点で名前が表示されるのだが、ここに名前が表示された者は俺と寿命が同期する。つまり、俺が死ねば市も死ぬし、逆に俺が死ななければ、直接殺されない限り市が死ぬ事もない。そして俺は神の因子…分かり易く言えば…お伊勢様の血を引いているので、殺されない限り20歳以降、歳を取らずに500年余り生きる。つまりは市も20歳以降不老のまま500年余り生きる事になる。」
「えっ…えっ、旦那様は神様なのですか?それに…市も500年…生きる?…えっと、それでは、産まれて来る御子はどうなのですか?まさか私たちより、先に…」
市は思い当たった事を口にすると、悲しそうな表情になる。
「市、大丈夫だ。俺の子孫は皆長命となり、多少の誤差はあろうが、俺の直子で500年、孫は450年、曾孫は400年以上の寿命になる。因みに、子孫の配偶者は一人ではあるが、最初の最愛の者が自動的に同期される。最後になるが、俺は神格を持ってはいるが、厳密に言えば神じゃない、恐らく半神って所じゃないかな?」
我が子が自分たちより短命ではないと聞いた途端に市の表情は柔らかくなる。その後は子供の出来る人数に制限がある事や、長命になったが為に子が通常より出来難くなったこと、その他の権能について包み隠さず話して聞かせた。突然の事で全てを理解出来たとは思わないが、ある程度の所は理解してくれたように思う。
それから時間までは密林市場のテストの為、飴ちゃんを買って市に食べさせたり、些細な話題で盛り上がったりと楽しい時間を過ごす事が出来た。




