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シキ  作者: ゆるっとおやじ


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2/11

キ点

「だけさーん」

「ねえ、だけさんってば」


うるせぇ

このやろう!

ベテラン刑事のゲンコツが飛ぶ


ゴンっ!


イテテテテっ

「イケメンの頭にタンコブが出来たらどうしてくれるんですか!?」


「だけさんじゃねえ!」

「竹下さんだろ」

みんなだけさんって呼んでるのに‥

若手刑事の梅園は毎日この調子で老刑事の叱責を受けている


「で、なんだ」

「ああ、そうそう、例のコロシですけどね

あれって本当に他殺なんでしょうか?」

「完全に密室で人が入った証拠の一つも出てこないじゃないですか」


事件から三ヶ月経つが何一つ情報がない

首には人の手形が残っていた事から警察の公式見解では他殺とされていた



少し考えてから竹下が話し出した


「梅園、おめぇ警察学校で習った事覚えてるか?」

「もちろん!ボクこう見えても首席でしたからね」


無視するように言葉を重ねる

「この世に呪いはない!

当たり前にこんな事を教えるっておかしいと思わねぇか」


「そうですか?」

少しは考えてくれと竹下は呆れた顔をしている

「いいか、あるものをあると教えるのは普通だ、だがな無いものを教える理由はなんた?」

「なんでしょう‥」と即答する

コイツ毎日のように首席がどうとか言ってるよな‥少しは考えてくれよ


竹下はそんな梅園が苦手だ


「無いものを無いなんて教える意味がない

聞かれた質問に答えるなら解るが、聞いてもいない事をわざわざ教えるのは違和感だらけじゃねぇか」


「確かにそうですね」

梅園は珍しく考え込んでいる

何かに気付いた様にハッとした表情になる


「あ、ということは、だけさん呪いとか信じちゃってて今回のコロシは呪いだとでも?」


笑いを堪える梅園に竹下が真剣な顔で小さく頷いた


「そんな事より現場に行くぞ」

コンビを組む竹下と梅園は現場へ向かう


梅園の運転する車内で被害者の情報が再確認されていた

「被害者の加賀美は45歳独身

婚歴はなく、両親も既に他界しています

兄弟もなく、親戚付き合いも無かったようです。」


完全な孤独死

何度も見てきた孤独死だが今回のヤマは少し様子が違った


「死因は首を絞められた事による窒息死

奇妙なのは苦しんだり暴れた形跡が全くなかった事」


加賀美は布団の上で安らかに眠っていた


「第一発見者は同じ会社の上司で、連絡もなく休んだ加賀美の様子を見に来たことが発見の契機になってます」

「電話を何度も鳴らしたが応答もなく、部屋の前に来ると中で電話が鳴っている

ドアを叩くが返答がない為、警察を呼んだ

これが発見時の状況になります。」



梅園は記憶力がとても良い

事件資料はほぼ頭に入っているようだ

将棋だか囲碁だかの高段者だけあってそれなりに賢いのだろう


「少し奇妙なのは窓は全てカギも閉まっていて、玄関のドアもチェーンロックまでされていた事です」


完全密室


「梅園、お前これが他殺と判断出来る理由はなんだ」

「首に付いた手形です

自分で自分の首を絞めて死ぬことは不可能ですから、密室トリックの他殺だと思います」


名探偵なんちゃが好きなのは知ってるが、そんな事件がそうそうあってたまるかと思うが、竹下は過去にコールドケースとなった事件を思い出していた


あの時も密室で他殺とされた事件があった

古い記憶だがはっきりと覚えている




キキーッ!

梅園がブレーキを踏んだ

おい!なんだ急に!!


「あ、すいません、自転車が飛び出してきたんです」

竹下が振り向くと2台の自転車が猛スピードで駆け抜けていった

赤い自転車か‥


アパートに到着する

車を停めると2階の現場へと向かう

閑静な住宅街に人の気配はない


梅園が手袋をゴソゴソとはめる

合カギを取り出しドアノブを握る

ガチャっ

扉が開くと二人は手を合わせてから部屋へ入った


既に鑑識作業も終わり現場保存は終わっている

二人は何か捜査の手懸かりになるものはないかと部屋中を探す

六畳一間にキッチン、風呂トイレは別

探すにも部屋が狭くあっという間に終わってしまう


部屋の角に置いてある小さな仏壇には加賀美の両親の位牌が並んでいる


「あれ?だ、だけさん‥」

梅園が何かに怯えている


「どうした梅園!」

梅園が震えるその手で指差すその先、仏壇の裏側にお札が大量に貼られていた


「なんだこれは‥」

初動捜査の段階でこんなものは無かった

当然鑑識の記録にもお札については一切記されてはいない


二人は気持ち悪さを感じているが、竹下は少しほくそ笑んだ







つづく

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