表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

ひと振り目 困惑の、


 八角形の鉢を前にして、僕は固まっていた。


 ずっと一緒にいたい女の子、チトセちゃんが山盛りの炒飯を作ってくれた。チトセちゃんは、こだわりが強いので、わざわざ中華鍋を買い、僕の地元で採れた野菜や卵などまで用意して「万全」の状態で調理したんだ。


 米はしっかり原型をとどめていて、油とよくからんでいてパラパラの質感。青ネギ、たまねぎ、にんじん、焼豚は同じ大きさに細かく刻まれ、玉子は焦げつきなし。僕が夢見ていた「絵に描いた理想の炒飯(チャーハン)」だった。


 だけど、何かが足りないんだ。


 チトセちゃんは、どんなことでも完璧にこなせる。それは、一緒の役所で働いている僕がよく知っている。会計部門でまだ一度もミスしていないと耳にした。課内では「ミス・ノーミス」なんて言われているのだとか。


 人間離れした容姿と頭脳、適度にコミュニケーションがとれて、嫌な職員や市民を相手にしても笑顔でペースを崩さないで対応できる、100点満点の女性だ。僕みたいなぱっとしない人間を彼氏に選んでくれて、あの時はびっくりしすぎてのどをつぶしてしまった。


 チトセちゃんの手料理は、残さずいただきたい。でも、散蓮華(ちりれんげ)へ手をのばせない。胸にたまりつつあるもやもやを、形にするのにまだ時間がかかる。


 ふせんがついていなければ、僕は意気地なしなのか?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ミス・ノーミス。 [一言] どっちだ……!?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ