漫才「アイドルになりたい」
ツッコミ「はいどーも!!!」
ボケ「…」
ツッコミ「なに?出てきて早々、元気ないなあ、もっとテンション上げていこうよ!」
ボケ「俺さ、子供の頃から憧れてるものがあるんだよね」
ツッコミ「えっ、あ、いきなり?まあいいか、何に憧れてるの?」
ボケ「アイドル」
ツッコミ「え?」
ボケ「あっ今、そんな陰湿な顔と声とキャラでアイドルなんかできるわけねーだろ調子乗るのもいい加減にしろ死ねって思ったでしょ」
ツッコミ「思ってないから!今の えっ の数秒でそんなに思い巡らないから!てか別に陰湿とか思ってないから!」
ボケ「ほんと?」
ツッコミ「うん、俺的には結構良い気がするよ、ほら、顔も悪くないし声も良いし」
ボケ「……(手を差し出す)」
ツッコミ「え?なに?」
ボケ「100万」
ツッコミ「えっ、100万くれるの?ちょっと褒めただけなのにちょろくない?」
ボケ「ください」
ツッコミ「あ、俺があげる方なの!?褒めたのに!?」
ボケ「嘘ついて俺をアイドルに適任だと思わせて人前に立たせて辱めを受けさせてやろうという思惑が見えたので」
ツッコミ「だから、考えすぎだから!まあいいや、それで、どんなアイドルになりたいとかそういうのあるの?」
ボケ「うーん、そうだな、やっぱり目指すはみんなに愛されるスーパーアイドルかな、世間的に有名にもなりたいよね」
ツッコミ「おー、壮大だね、でも憧れるよね」
ボケ「みんなー!今日は来てくれてありがとう!後ろの方まで見えてるよー!」
ツッコミ「キャー!好きー!こっち見てー!」
ボケ「ありがとう〜!おっ、うちわまでありがとう!…興奮も冷めやらぬところだけど次で最後の曲です!」
ツッコミ「えー!」
ボケ「本当にみんなのおかげでここまで来れました…スタートは一人暮らしの部屋で壁に向かって歌っていましたが、今では…こんな…大きな会場で出来て……今日会場に来てくれた、お父さん!お母さん!兄貴!姉貴!と旦那さん!従兄弟のお兄ちゃん!従兄弟のお兄ちゃんのお嫁さん!と子供さん達!と同じクラスのお友達くん!のお母さん!」
ツッコミ「待って待って待って!えっ、全員知り合いなの?ほぼ身内?…キャパどれくらい?」
ボケ「えっと〜、3600」
ツッコミ「いやいや大きすぎるな!どんだけ人入るのよ、身内だけじゃ確実に埋まらないよ!?」
ボケ「平方メートル」
ツッコミ「あ、人数じゃないの!?どこで開かれてんだよそのコンサート!」
ボケ「俺の地元の小学校の校庭〜♪」
ツッコミ「ドヤ顔すんな、ド地元じゃん!そりゃ後ろまで綺麗に見えるね、鮮明だね」
ボケ「野外だぞ!!凱旋公演だぞ!」
ツッコミ「どこ自慢げに言ってんだよ!野外っていうのは大きなところに人がいっぱい入ってやっとテンション上がるものだから!凱旋の意味も間違えてるから!」
ボケ「ということでね、最後の曲いきたいと思います」
ツッコミ「よく続けられるな!」
ボケ「僕にとってもみんなにとっても思い出深い曲だと思います、聴いてください……第三小学校校歌」
ツッコミ「いや、だから地元ー!アイドルでもなんでもねーよ!」
ボケ「懐かしいだろ!ご当地アイドルなんだよ!!」
ツッコミ「アイドル一から勉強してこい!」
ボケ「俺スーパーアイドルに絶対なれるわ」
ツッコミ「急に自信過剰!もういいよ!」