6年ぶりになろうにログインして放置していた作品を完結させた話。今は書く気が起きなくてもいつか書く気になるかもしれないから、作品を削除するのはやめておいたほうがよい
女神の剣【旧題:女神に捧げる両手剣】という作品を連載中のまま6年以上も放置していました。こちらは私が『小説家になろう』において初めて投稿した作品でもあります。
つい先日、ようやく女神の剣をひとまず完結という形にできたのですが、そのことについて書いてみようと思います。
まず放置することになった理由についてですが、ざっくり言うとやる気がなくなってしまったから。これに尽きると思います。
過去の投稿した日付を見る感じ、放置する少し前のあたりから作品の投稿間隔がどんどん長くなりはじめています。最後の方に至ってはひと月くらい更新期間が空くこともあったようです。なろう作品でよく言うエタる前兆が起きているわけです。
そしてその前兆の通り、私はある日にぱったりと更新をやめてしまいました……見事にエタってしまったのです。
その後6年くらいずっと自分の作品を書く気も起きず、なろうにアップされている他の作者の方の作品を読む気にもなれませんでした。さらに本屋などで小説を買って読むということも基本的にしなくなりました。
なろうだけでなく、小説というものから完全に遠ざかっていたと言ってよいでしょう。
でも今年に入ってからのある日、少しだけなろうに対する興味が戻ってきたのです。そして自作をずっと未完成で放置しているということもだんだん気がかりになってきました。それで久しぶりになろうにログインしてみることにしました。
6年ぶりになろうをチェックして驚いたことは、異世界転生ものの人気が下火になっているらしいということと、ざまぁ系・追放系といったものが流行っているらしいということでした。
そして自分の作品は6年前の姿のまま、なろうに残っていました。感想などが新たにつけられるということもなく、自分が最後にチェックした時と変わっていません。もう誰にも見られることなくずっと埃をかぶっていたのだろうな、という気持ちになりました。
作品ページにも『この作品は6年以上放置されており、今後完成しない可能性が高いです』といった感じの公式からの注意書きが記載されていました。
正直言って、いまさら作品を再開するのは怖いなと思いました。わずかに残っているブックマークが外されたり、感想欄に酷いことを書かれるのではないかと思ったのです。放置していた6年という期間はそれくらい重いはずです。もちろんすっかり忘れられている可能性のほうが高そうでしたが。
そういった葛藤はあったものの、もうすぐラストの展開が始まるという所で中断してしまっていたものですから、やっぱりちゃんと完結させたいと続きを更新していくことを決意しました。
それでいざ続きを書こうとしたのですが、これが書けない。
もちろん設定やキャラクターの口調などを一部忘れていたこともありますが、一番ショックだったのは、書きたい言葉や描写がなかなか思い浮かばないことでした。
筋トレをしないと筋肉が衰えていくのと同じで、脳みそも使わなかったらどんどん衰えていくということなのでしょう。
実は女神の剣の続きを書く前に、試しに別の短編を一本書いたのですが、2500文字くらいしかないのに完成までとても時間がかかってしまいました。
それでもなんとか女神の剣の続きの話を書き上げ、2021/03/02に第128話『異変の兆候』をアップロードしました。第127話は2014/11/06にアップしているので実際は6年と4ヶ月ぶりの更新でしょうか。
感想で何を言われてもとりあえず完結だけはさせるつもりでした。完結させないと先に進めないとも感じていたのです。一応、その時点で最終話までの話は大体書き終えており、あとは推敲や肉付けをすればよいところまでは済ませていました。さすがにまた放置するようなことになったらいけないと考えて。
アップロードした翌日に再びログインしてみると、感想が書かれましたという通知があったので気後れしながらも感想欄を見てみました。すると予想に反して、更新されるのを待っていたという内容の感想が二件も書かれていました。
それを見た時、6年も待たせてしまって申し訳ないという気持ちと、自分の作品を待っていてくれた人がいたんだという嬉しさがこみ上げてきました。
実は6年の間に、私は女神の剣をはじめとする自分の作品ファイルをパソコンから消してしまっていました。もう自分で小説を書くことは二度とないだろうと思ったからです。
なろうについても作品を全消しして退会しようかと思ったことが何度かありました。なろうの作品データを消さずにすんだのは、ただ単にそこまでやる気力も起きなかったからにすぎません。
幸い女神の剣についてのプロットは自分の頭の中で覚えていましたので、もう一度続きをゼロから書き直したのです。6年も間が空いていますので、おそらく文章の書き方も再開前と再開後で少し変わってしまっていると思います。
実際、更新を再開する前に女神の剣をプロローグから読み直してみたのですが、なんでこんなに分かりづらい文章を書いているんだろうと思ったくらいです。
もしなろうのデータまで削除していたら、女神の剣を完結させることはできなかったでしょうし、他の作品を新たに作る気にもなれなかったでしょう。
あの時に削除・退会をしなくて本当に良かった。
これが6年越しの作品を完結させることができた私の偽らざる気持ちです。
……まあ実は同じように6年以上放置している作品がもう一本あるんですけどね……(検索避け設定をしているので検索には出てきません)