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コイバナ

前回、名前を間違えてました。。。申し訳ございませんでしたぁぁあああああ!


途中、工藤視点です(松田の友達)



鈴木がカンナに告白するとわざわざ宣言するから、俺がドキドキしてしまった。


そんな宣言をした本人は、何食わぬ顔で大道具を作成しているし。俺が鈴木に会った当初は、女子に引かれるような発言を連発していたのに、今となっては一人の女子しか目に入っていないようだ。しかも。


「それ重いから俺が持ってくよ」

「え、うん。ありがと鈴木……」


大道具制作で出たゴミを出そうとしていた女子の手からゴミを鮮やかに奪い去っていった鈴木と、唖然とする女子。


下心なしで女子に気を遣っているからか、最近、クラスの女子の鈴木を見る目が変わってきていた。


うちのクラスで一番成績が良いし、気も遣えるし、足も速いし……。


ハイスペック男子、鈴木!弱点を克服した鈴木には、ひっそりとモテ期が到来している、とは井村の(げん)


鈴木もカンナも、どちらも幸せになる結果になればいい。


2人とも、俺の大切な友人に変わりないから。





――――――――――――――――――





「まったく、罪な男だねぇ、御子柴は」


保健室のベッドの中で小さくなって泣いている、親友の背をシーツ越しに撫でる。


「振られたか」

「振られてない!」


がばちょ、とシーツが勢いよく捲りあがり、目をパンパンに腫らした松田が抗議してきた。


「だって告白すら、してないもん」

「えー。今日、告白するって言ってたじゃん。ちょうど御子柴があんたを追いかけていったから、絶対告白したんだと思ってた」


去年の学校祭の前、ちょうど今頃。たしか、隣のクラスの愛羽さんと御子柴がデキてるって噂が流れだしたころ、松田は御子柴に恋をしたらしい。


「うちのクラスの男子ってさ、腐女子の私をちょっと煙たがってたじゃん?」

「あー。それはあんたが勝手にカップリングして妄想するからでしょうが」

「それはそうなんだけどさ。でも、御子柴君は私が腐女子って知っても、避けなかったんだ。修学旅行のときは水着だって褒めてくれた。ほんの些細なことが積み重なって、いつの間にか好きになってた」


松田とは親友だけど、コイバナなんてしたことなかった。昨日、「明日御子柴君に告白する!」と言われて初めて松田の恋心を知ったくらい。


「御子柴君、彼女いるんだって。そりゃそーだよね!あんなにカッコよくて真面目で、優しい人を放っておくわけ、な、い……よね……」

「松田……」


松田の泣き顔も、初めて見た。


あんにゃろ、彼女がいるならもっと早く言えっての。私の親友を泣かせやがって~。……って、うん?


「彼女がいるって聞いただけで、振られたわけじゃないんだろ?」

「そ、そうだけど」

「それなら告白しちゃえば?」

「なっ!?」


何をそんなに驚いてるんだ?松田が普段読んでいる薄い本でもよくあるじゃん。略奪っていうやつ?ワンチャンあるかも的な?


「…………無理」


無理って言う割には、随分と間があったな。


「なんで」

「だって、彼女がいるの?って聞いたときの御子柴君の顔がね、びっくりするくらい優しかった」

「御子柴は普段から優しそうな顔してんじゃん」


優しそうというか、弱そうというか。何回か素顔を見たこともあるけど、やっぱり優男って感じだった。私の好みは俄然、マッチョだから特に惹かれなかった。御子柴は筋肉が足りないな。


「そうだけどそうじゃなくて。その人にだけ見せる顔、みたいな?あの顔を見たとき、あーダメだなって、脈ナシだってわかっちゃった」

「そりゃー、つらかったね」

「……うん」

「泣いていいよ」

「もう泣いてるし」

「来週合コンする?」

「マッチョは遠慮する」

「なんでだよ」





――――――――――――――――――




劇の練習を一通り終えて、それぞれが大道具・小道具制作や衣装制作に分かれて作業する中、俺は一人、少し離れてパソコンとヘッドフォン。


「しばちゃん、進捗はどんな感じ?」

「うーん、6割ってところかな」

「頼もしいな~おい」


一旦作業をとめて、伸びをしていると田中にヘッドフォンを外された。


劇で使う曲を全部作るということで、指定された場面の曲をみんなと離れて作曲していた。集中していて気づいていなかったが、どうやらみんな作曲に興味津々だったらしい。


そうだ、良いこと思いついた。


「みんな少し時間ある?」


~執筆中BGM紹介~

「The hole」歌手:King Gnu様 作詞・作曲:Daiki Tsuneta様

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