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王様だーれだー?

ブクマ登録、評価、感想ありがとうございます!


いつの間にやら2月が終わってしまいました。卒業生の方、ご卒業おめでとうございます。

ちなみに作者はコタツ生活を卒業。冬にまた会おう!




自己紹介で確かな手ごたえを感じたところで、次は男子側の自己紹介に入る。


「俺、鈴木~趣味はスニーカーを集めること。女の子たち、よろしく!」


夏子の自己紹介に飲まれかけてたが、鈴木がナイスアシストで立て直す。後に続く男子二人が鈴木にサムズアップをしていた。


「田中だ、です。えー最近はイタリアンを作ることにハマってます。美味しいかは別だけど」


女子受けが最高の答えを意図せず言った田中に女子側が色めき立つ。


「すごい!料理できるんだね!」

「この歳で料理をしているなんてすごいわ」

「エレナさ~食べるの好きって言ってたし、なんか二人良い感じじゃな~い?」


ヤバい、俺って実は女子だったんじゃない?なにこのナイスアシスト。もはや職人芸だわ。


「井村だよ。趣味は映画鑑賞です。演劇部に入ってるから演じることが好きです」


普段男子相手に話しているときとは違って、優しい雰囲気で話す井村。これも演じているのか。


「映画が好きで演劇部に入ったの?」

「へぇ~演劇部なのね」

「趣味が映画鑑賞ってかっこいー!」


キャッキャと話していたところで、鈴木が「俺のときだけ誰も反応してくれなかったのなんで!?夏子すら無反応だったんだけどォ!」と叫ぶ。夏子はあまい女じゃないんだよ。おとといきやがれ!


自己紹介が一周したところで、エレナが嬉々として立ち上がる。


「王様ゲームしーまーしょー!」

「「「いえーい」」」


エレナ以外のノリも乗ってきた。それにしても王様ゲームって、アニメの中でしか見たことないな。


用意周到に1~5の番号が書かれた紙と「king!」と書かれた紙を取り出して、中央に置いた。


「王様だーれーだー?」


エレナの合図とともに一斉に6本の腕が紙に向かって伸びる。取った紙を開くと、そこには「3」と書かれていた。


「王様は私ですわ!」


言い出しっぺが最初の王様か。すっごいウキウキしてる。漫画だったら周りにお花が飛んでいるくらいに浮かれているのがわかる。本当に、楽しそうでよかった。


「おっほん!では命令しますわ。3番の人は向かいの席の人の好きなところを5個答えてください!」


・・・・・・・・・・・・・・・・俺、3番だぁ。


「3番だれー?」

「夏子でぇす」


名乗りを上げた途端に向かいの席に座る井村の顔が引きつる。


「井村きゅんの好きなところ1つ目、ちょっと髪を切っただけですぐに気づいてくれるところー」

「わかる!井村ってすぐ気づいてくれる」


周りで聞いていたクラスの女子、ではなく男子が共感する。だってほら、「髪切った?」って聞くの男子だけだから。


「2つ目、話を聞くときは目を見てくれるところー。3つ目、すぐツッコミをいれてくれるところー。4つ目、」


その後言い淀むことなく、スラスラと井村の好きなところを5つ言う。そのたびに周りで聞いていた男子たちが「うんうん、わかるわー」と同意の頷きをしてくれる。


「やめてくれ・・・」

「そういう素直に照れてくれるところも好・き!」

「うぅぅぅぅ!」


真っ赤な顔で机に撃沈した井村の様子を見て、男子同士の絡みが大好きな松田さんが「付き合っちまえよ」と言ったが、気にしないことにする。井村も俺も彼女いるから。・・・彼女いるからそんな目で見ないで!


一人顔が真っ赤になったところで、紙を再び折りたたんで中央に戻す。軽く香織が紙を混ぜて、エレナの「王様だーれだー?」の合図で一斉に手を伸ばす。


「よっしゃ俺だー!」


紙を頭上に掲げて喜んでいるのは鈴木である。お主が次の王か。


「5番の人が1番の人の頭を撫でる!」

「5番は夏子でぇす!」

「いっ、いいいい一番は私です!」


どうやら香織が1番を引いたらしい。顔を真っ赤にしながら名乗りを上げる香織。暑いのだろうか?


「女子同士になったわね」


残念そうに言うエレナに問いたい。俺のこと女子に見える?結構ノリノリで夏子やってたけどさ。本当に女子に見えるなら眼科行きな?


心の中で彩歌さんに謝罪を入れてからそっと隣に座る香織の頭に手を置く。おっと、心なしかシャンプーの良い香りが。香織だけに。なんつって。


「~~~っっっ」


すーいすーいと香織の頭を撫でる。撫でる。撫でる。


「なんで俺、こんな命令出したんだろ・・・」


自身の命令に後悔している2代目の王に言い放つ。


「王のご命令は絶対ですから」


鈴木がぴえんぴえんと嘘泣きしているのを横目で見ていると、田中からつつかれる。


「そろそろやめてやれ」

「え?・・・ってごめん!」


鈴木とやり取りしている間もずっと無意識に香織の頭を撫で続けていた。冬瑚の頭を家で撫でてるような感覚でついやってしまった。


「・・・・・・・・・ゆるす」


小さい声でぽそっと呟いた香織の一言に、ほっと胸をなでおろすのだった。




~執筆中BGM紹介~

「不思議な第3惑星」歌手:聖飢魔Ⅱ様 作詞・作曲:デーモン小暮様

読者様からのおススメ曲でした!ほんとに不思議な曲。

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― 新着の感想 ―
[一言] くっ、普通に遊んでるだけだから通報しようがない! 夏君、意識が女の子になってないかい?いっそのこと身も心も女の子になるとか。そうしたら幼女を抱きしめても通報されませんよ。 不思議な第三惑…
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