どっと疲れた
ふと気づくと窓の外に誰か居る。ここが中層階とかガン無視ですね。
口笛が聞こえたと思った直後に壁がぶっ潰された。
ちょっと! 室内に人質の妖女様がいるんです! 安全第一でお願いします!!
人が外から雪崩れ込んできた瞬間、何故か私を睨む聖女様。知らない! 全然全く知らないから!!
そして私に向けて殺到する魔法! ブロックする魔法!! 頭を抱えて地面に伏せる私!
音だけでも怖ぁ゛です。ブオンッ! とかバチッッ!! とか何が起こってるんですか!?
頭上で飛び交う魔法は風圧がやばい!! あと、誰か知らないけど風に土砂混ぜないで! 痛いから!!!
室内なのに台風を何個か合わせたような風の中、なすすべなくゴロゴロゴロゴロ転がっていたら、戦闘が終わった。
危なかった。謁見用の無駄に布地面積の広い服だったせいで飛べそうだった。
いっそスカート広げてムササビみたいに飛んでいってしまおうかと思ってた。
「制御なしで飛ぶのはやめてくださいね?」
声の方を見ると、にこりと笑った相手がいて、それはさっきまで部屋の隅で寝ていた銀髪さんだった。
いや、違う。今も部屋の隅で銀髪さんは寝てる。
このそっくりさん誰?