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過去の遺物

「ごめんな。白蘭お前をこんな所に閉じ込める様な事になって」



それは、懐かしき友の声だ。

これはあの時のやつの言葉。

何度構わない。きにするな。と言い聞かせても、何度も確認する様に本当にいいのかと、確認した友に私の寿命から比べたら取るに足らない年月だから大丈夫だ。と何度も説明するたびにやつが言った言葉だ。

すぐに死んでしまう人間に比べたら私が一番適任だっただけだ。


それなのに何度となくやつは生きている間やってきた。


その度あいつが年を取って行く姿を見て自分との時間の違いを感じた。




私は、ただ友人との別れをしたくないためにここに逃げ込んだのかもしれない。



『迷い人?それはそれは、なんだか大層な言い方だがただの迷子だろ』

「まあ、そう言われたらそうなんだけど」


『こんな所に本当にお前が言う待人がくるのか?そいつにこいつを渡せばいいのか?というか渡していいのか?』


「うん。あいつの最後の予言だから」

『『輝く光に導かれし洞窟の先に来たりし黒き迷い人はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー』ってやつだろう。まったく解りズラい』

「クスッ・・・・まあ、そういうな。」

『今笑っただろう』

「相変わらず仲がいいなぁって」

『あのわからずやと仲良くなった覚えはない。』

「そういう事にしとくよ。」

『そういうことにしとけ』


なんでもない会話だが、あの会話をした最後からここに人も生物が生きてから来ることはなかった。


当たり前だ認識阻害と入り口さえこの上空の穴しか空いていないこの場所に来れるものは、いない。


笑いあったのはいつだったか。笑いあった友は死に私も若い証拠と言われていた羽毛の様な鱗も生え変わり、今では最古の年老いた竜になった。


そして、今日待人。黒髪の迷い人が来たのだ。やっぱりあの性悪女の予言は間違ってなかったらしい。

しかし、こんなに待たされたのだ仕返しに軽いイタズラをしても許されるだろうと、戦いを挑んだが、まさか負けることになろうとは思わなかった。


まあ、その後倒れていたから撫でつつ看病してやったら何故かいきなり胸を揉まれたことにはびっくりしたが、私もまだまだいけるっということなんだろう。


そして、例のものを自然に渡すつもりだったが無理矢理になってしまったのは仕方ない。

ただ気まぐれで3つの箱から選ばせてみたが見事に目当てのものを選んで見せた和樹という少年は黒い迷い人という例えどうり黒がよく似合った。

まあ、普通の人間なら一番大きいのを選ぶんだが、欲が無いのかそう悩まずに小さい箱を選んだ。

ついその瞬間顔がにやけて、しまった。

和樹は、すぐに帰っていった。

もうちょっと、話してみたかったが、何故だがすごく眠い。

いつもは、まったく眠くなら無いこの体は、彼の姿を見送り終える前には、もう深く瞼を閉じていた。








「ありがとう。白蘭。そして、ゴメンな」


友との最後の別れの言葉が何故だがアタマの中に響いた。



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