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プロローグ
プロローグ
「また来年も、ここで花火、見ようね?」
「うん!」
この約束を破ったのは私でした。
暗い空に飛び散るカラフルな火花。
それを必死に見ているあなた。
私はその瞳に映った輝きを見ていた
「私、幸せだよ。ありがとう・・・」
あなたの浴衣の袖をぎゅっと握り
そっと呟いた。
私の声に気づいたのか
あなたは私を見下ろして、
そっと微笑んだ。
そして、あなたは言ったの。
「また来年も・・・・」
大きく首を縦に振る私。
その時また大きな花火が上がった。
ふとあなたの唇が私の頬に触れた。
恥ずかしくて二人で勢いよく顔を空に向けた。
お互い確認なんてし合ってないけど、
二人とも、真っ赤だったよねきっと・・・
愛してます。
あなたにだったら、
何度でも言える。
なのに。