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Blood type V  作者: ROM
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豹変


白石さんの表情はとても真剣だ、


まさか本当に彼女はこの噂を信じているのだろうか?



「……確かに気になる事もあるけど」



一年前の行方不明者が目撃されている、しかも複数の人に、つまりこの話にはかなり信憑性がある、『赤い目』というのは流石に話を盛った感が否めないが、



だとしたら消えてから目撃されるまでの一年間を彼らはどう過ごしていたのだろう?

いくらこのホテルが広いといっても、一年間も誰にも発見されずにいる事はまず不可能だ、


誰かが監禁でもしない限り




この話をしてから白石さんの表情はずっと暗い、


こんな噂、ホテル側からしたらやっぱり迷惑なんだろう、

しかも白石さんは女の子だ、本当に吸血鬼に怯えているのかもしれない




「大丈夫だって、吸血鬼なんている訳ない」


「………」


普通に考えて吸血鬼が存在する事なんて有り得ないし、一年前の行方不明者だって見間違えかもしれない、赤い目もカラコンとかで作れる


「きっと誰かが考えた怪談がたまたま広まってできた噂ですよ」




少しでも彼女の不安を和らげようと思って適当な事を言ったが、多分これが真実だと俺は思う、けど白石さんから返ってきた言葉は以外なものだった



「私は、いると思う」


「え?」


「吸血鬼はきっといるわ此処に」


「……!」


彼女は目を細めて言う、まるで当たり前のように


「夜よ、今日の夜に貴方の前にそれは現れるわ」


最初に会った時とはまるで別人のような氷のように冷たい表情、刃のように鋭い視線、


背中から冷たい何かが昇ってくる、心臓が大きく音をあげて跳ねる


「貴方しか救えないの、友人も私達もね……」


「は……?」


「今はまだわからないでしょう、でも覚えていて」


彼女は何を言っているんだ?


俺にしか救えない?友人も私達も?


「貴方が握っているのよ、此処にいる全ての人の運命を」


「あんた、何言って……」


彼女はそう言うと、いつもの表情に戻り、ニコッと笑った


「すいません、お時間とらせてしまって」


「………」


「それでは失礼します、また夜にお会いしましょう」



彼女は一礼してその場から去っていった





さっきの話は一体何なんの事だったんだろう……

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