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Blood type V  作者: ROM
3/19

白石 希

振り返るとそこには若い女の人が立っていた



艶のある綺麗な黒髪


透き通るような白い肌


清楚な顔立ち



誰もが振り返るような、「超」がつくほどの美人







「ちょっといいですか?」


「え……あ…はい、何ですか」


何を緊張してんだろ俺、恥ずかしい


やっぱりアレか、男子は可愛い女の子には弱いという事なのか、


さっきから鼓動が早い、顔が熱い、


「私、このホテルの従業員の白石 希と申します、ディナーイベントのお誘いで参りました」


「ディナーイベント……ですか」


「はい!夕食の予定がなければ是非!」


急に明るい声色と眩しい笑顔で勧められて、また顔が熱くなる


即答したい所だけどこれは自分一人では決められないからなぁ


「ん~と……考えてときます」


「そうですか、じゃあクーポンをお渡ししておくので、ではこれで」


彼女は軽く一礼して帰ろうとした所でもう一度振り返り言った


「お客様はあの噂はご存知ですか?」


「……?」


何だろう唐突に、


「いえ、何ですか噂って?」


「……お聞きになりますか」


急に白石さんの声が暗くなった、顔からは笑顔も消えて、さっきとはまるで別人のようだ、何か妙な不安が脳裏によぎる


でも『あの噂』なんて言い方されたらやっぱり聞かずにはいられない


「……はい」


「では、お話します」






 このホテル「サニーガーデン」で最近、奇妙な事が起きてまして、


一年前にこのホテルに泊まったお客様の数名が夜以降、行方不明になってしまう事件があったんです、


最近になってその行方不明だった方達をこのホテルで見かけたという方が何人かいるそうなんですが、その方達が皆、同じ事を言うんですよ……






――赤い目をしていた、と






多分、見間違えか何かだとは思うんですが……


皆さん同じ事を言うもので……


その件もあってこのホテルには『吸血鬼』が潜んでいて、人を襲って血を吸い、吸われた人間は新たな吸血鬼となり、このホテル内のどこかで血を求めてさまよっているという噂が広まっていったんです



「吸血鬼ですか……」


流石に今の話はオカルトすぎて現実味に欠ける気がしたが、一年前に消えた人達が今になって同じホテルで目撃されたという事に少し引っかかった


彼らは一年の間、このホテルで誰にも知られずに生活していたのだろうか?




「赤嶺さんはこの噂、どうお考えになりますか?」

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