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Blood type V  作者: ROM
14/19

―Blood type V―


二回目のプロフィール公開です


今回は『白石 希』さんです


ちなみに小説の話に関わる事やネタバレになる事は載せませんので



本名:白石 希

年齢:不明

誕生日:10月31日

血液型:O型

身長:160cm

体重:不明

趣味、特技:運動、ピアノ

好きなもの:ケーキ、猫

嫌いなもの:ニンニク、辛い料理、勉強




ホテル《サニーガーデン》で働く従業員の一人、主にフードコートを担当している


容姿は誰もが振り返る程の美人で、清楚な雰囲気を感じさせる少女


彼女の事を詳しく知る者は少なく、私生活は謎に包まれている




 


「え……俺?」



「そうよ、あなたがその特別な血を持つ限られた人間の一人よ」


「いやいや!俺、普通にA型ですけど?」


「何型かなんて関係ないの、最初に会った時から私は気付いていた、あなたの血が特別だって事に」



「でも……急にそんな…」


「最初に言ったでしょ?貴方しか救えないって」



世界中に数人しかい特別な血、その内の一人が俺で、吸血鬼になった人達を救えるだって?


本気で言ってるのか?



「何故そんな事わかるんだ?血液検査をした訳でも無いのに」


そこで彼女は少し黙り込み、チラチラと俺の顔を何度も見直した後ようやく口を開いた



「……紅魔になった人は普通の人とは物の見え方が違うの」



「見え方が違う?」



「そう、例えば夜は視界が悪いでしょ?でも紅魔になった人には真昼のように視界がクリアに見えるの、他にも……」





「ちょ、ちょっと待った!」





「……?」


「何で、白石さんがそんな事知ってるんだよ?」



「それは………その」



「白石さん、何を隠してるの?」



彼女は諦めたように大きくため息をついて小さな声で―










――私も吸血鬼の一人だから










「………!」


そう言うと彼女は大きく目を見開いた



その瞳は先程の吸血鬼とは違い、黒目だけが鮮やかな真紅に染まっていた


この違いは彼女が『紅魔』だからか?





一瞬、あの紅い瞳に恐怖を感じたがすぐにそれは消え去った



「あれ、以外と驚かないんだ?」



「正直、そんな気はしてたんだ」



「ふふっ灯台もと暗しだったね」



やっぱり彼女は吸血鬼だった



ずっとおかしいと思ってた、あの異常な強さの吸血鬼を一人で、しかも素手で倒すなんて普通の女子には無理だと思ってた


それに『紅人』や『紅魔』の話も一般人が知っているような話じゃない、深く関わっていないと知り得ない情報だ、特にさっきの説明は自分目線で話をしているように聞こえた





「赤嶺君は私が怖くないの?」



「そんな事ない、命の恩人じゃないか!」


「………」



「それに……白石さんが教えてくれ無かったら、俺は友人の危険に気付けなかったと思う」



「赤嶺君……」







そうだ




――最初から彼女は訴え掛けていた





 


最初は何で吸血鬼の話なんか懲りずにするのか不思議だった


たとえ事実だったとしても誰も信じてくれないのは目に見えている




だけど彼女は諦めない、何度も何度も訴えかける


それでも俺は頑なに信じなかった





「白石さんは最初からわかってたんじゃないの?」


「え、何の事?」


「俺が吸血鬼を信じないって」



すると彼女は少し苦笑いして言った



「そうね……赤嶺君が素直に信じてくれるとは思わなかった、吸血鬼なんて誰も信じていないもの」



確かに事実だったけど、理解してもらうのは難しいだろうな



「だから私は他の方法を考えたの」


「他の方法?」


「信じさせる事が出来なくても、あなたを導く事は出来る」



「どういう事?」



「やっぱりいくら口で説明しても理解してもらうのは難しい、だからまず強い印象を与える事にしたの」


「最初に一年前の事件について話した時、私を不気味に思ったでしょ?」


「うん、超怖かった」


「……あれは演出だったの」


「え、そうなの?」



「わ、私はあんな気持ち悪くないわよ!」



彼女が顔を真っ赤にして否定する



……普通にしてるとやっぱり可愛いな



「とにかく、最初の会話は赤嶺君に恐怖や不安を感じさせるのが目的だったの」



なるほどそういう意図があったから脅しみたいに聞こえたのか



「次に私は三年前の事件の事を話し、そしてあの封筒を渡した、まさか赤嶺君の方から来てくれるとは思わなかったけど」



「そしてあなたは友人達に何か起きたかもしれないと思い始める、そして封筒の中を確認する」



凄い……全部その通りだ



「あの紙を読んだらきっと私の元に来ると思ってた、そして最後に私が吸血鬼である事をあなたに証明するつもりだったの」



「もしかして……最初に言ってた、今夜現れるっていうのは」



「そう、私自信の事よ」



知らなかった、俺は最初から彼女の脚本通りに動かされていたのか、自分では全く気付かない内に……






「赤嶺君は私の期待通り真実に辿り着いてくれた、まさか急に死にかけているとは思わなかったけどね……」


「う……すいません」


「でも本当に感謝してる、ありがとう」


「い、いや……そんな…」



感謝しないといけないのは俺の方だ、彼女のおかげで、俺達に起きている異変に気付く事が出来たんだから



「じゃあ話を戻すね、どこまで話してたっけ?」


「特別な血液がどうとか吸血鬼は見え方が違うとか何とか……」


「そうそう、つまり私には人とは違う景色が見えているんだけど、その特別な血液はキラキラとした綺麗な赤色に見えるの」



「例えるなら普通の血はトマトジュース、特別な血は赤ワインの様に少し違って見えるの」


「ほら、赤嶺君怪我してたでしょ?」


「あぁ、この傷の事?」



部活の時にした怪我か、今はさっきの吸血鬼のせいで身体中に怪我してるけどな



「最初にその傷を見た時にあなたが特別だと気付いたの」


「つまり俺の血が赤ワインに見えたから、特別な血液だって事?」


「そういう事」


「いいんだけど、それがどうして俺の血が特別な事になるんだ?」



彼女は顔を曇らせ、少し申し訳なさそうに答えた



「ごめん、今は教えられないの」



「……そっか、じゃあ続き話して」



何故教えられないか、問いただそうかとも思ったが彼女を信じる事にした、今は知らない方がいいのかもしれない




「うん、私もどういう作用が働いて人間に戻れるのかわからないけど、あなたの血には吸血鬼の血を浄化する力がある」


つまり吸血鬼を形成する要素を消滅させる事ができるという事





吸血鬼(vampire)を消滅する(vanish)





この願いと二つの頭文字をとって特別な因子を持つ血液に私はこう名付けた






――『Blood type V』






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