霧を浴びる
掲載日:2026/05/24
液晶を見すぎたので
液晶で豊かになろうと思った
枯れた水を取り戻すために
枯れた底を宥めるように
紹介や時間の書かれたページを抜けて
ただ森や季節や光のみを求めた
絵の隣に座る少女に、これは貴方が描いたのかと問いたくなった
否、それはドガの絵であった。
湖を見に行きたい
深い森の中にあって、霧が辺りを隠していて
まるでここしか世界が存在していないような
そんな湖を見に行きたい
それもひとりでだ
ひとりで泥濘に足を取られて、湖に呼ばれて、
そのあとお気に入りの編み上げブーツを片方残して行ってしまって。
豊かであるが虚しい
なるだけ荷物は減らして
私がただ存在するだけだ
私がただ存在するだけだ
なぜ物語と現実に、たった数センチの、それでいて途方もない隔たりを作ったの
よければまた、見に来てくださいね。




