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アルファの記憶 Memories of Alpha  作者: 空想シリーズ
第4部 夜明け
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第13話 星とひとつに

本日2話目です。


数日後。


アンダーランドの中央広場に全ての住民が集まっていた。彼らはKMSを通じてティアの最後の祈りを見守るために。ティアはシンと仲間たちに見守られながらKMSのメインタワーの中心へと向かう。そこはかつてアウロラの意思が宿っていたコアユニットの前だ。

彼女は静かに立った。


彼女は振り返るとシンに微笑んだ。

それは彼女が初めて見せた人間らしい感情の発露だった。


「シン。あなたに出会えてよかった。あなたのおかげで私はただのシステムではなく『心』を持つことができました、ありがとう」


ティアはそう言うとコアユニットにそっとその手を触れた。

彼女の体が内側から発光するかのようにまばゆい金色の光に包まれていく。

その肉体はゆっくりと光の粒子となって空中に溶けていく。

だがそこに苦痛の表情はなかった。ただ全てをやり遂げた安らかな微笑みだけがあった。


やがて彼女の体は完全に光となった。そしてその光は巨大な奔流となってKMSのコアへと吸い込まれていった。

コアはこれまでにない温かくそして力強い生命の輝きを放ち始めた。


次の瞬間。

その光はアンダーランドを突き抜け地表へ、そして地球全体へと広がっていく。

森のコアへ。

砂漠のコアへ。

極北のコアへ。

惑星のエネルギーグリッドが完全に一つに結ばれたのだ。


そして最後の奇跡が起きた。

KMSのメインスクリーンに衛星からの映像が映し出される。

――極北の厚い氷が溶け、その下に緑豊かな大地が現れる。

――砂漠の湖から水蒸気が立ち上り雲となり、そして恵みの雨となって大地を潤していく。

――そして地球を覆っていた最後の汚染された雲が完全に晴れ渡る。その向こうから本来の星空が現れた。


星が完全に息を吹き返したのだ。


シンはその光景をただ呆然と見つめていた。

彼の頬を一筋の涙が伝う。それは悲しみの涙ではなかった。

彼の腕の中で消えていった少女への感謝。そして彼女が遺してくれたこのあまりにも美しい未来への誓いの涙だった。

明日も2話連続の予定です。

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